自律神経の乱れを整える<3>自律神経バランスをセルフチェック!
テストの結果:A-Dの人
交感神経・副交感神経ともにレベルの高い「スーパーマンタイプ」
活動的でエネルギッシュな状態。他の人よりもパワフルに動けているはず。現在、このタイプに当てはまったとしても、一生涯、そのまま走り続けられる人は極少数です。現役アスリートでもない限り、無理にこの域にたどり着こうとする必要はありません。
テストの結果:A‐E、A‐Fの人
交感神経が優位になっている「オーバーワークタイプ」
自分の体力や気力以上に頑張ろうとする、現代人がもっとも陥りやすい状態です。無理をすれば仕事を成し遂げられるのですが、車にたとえるならオーバーヒート寸前。このまま無理を続けると、循環器や血管の異常をともなう病気を発症しかねません。副交感神経が働くように、ゆっくりくつろげる時間を設けることと、良い睡眠が取れる生活習慣を身に付ける必要があります。
テストの結果:C-D 、B-Dの人
副交感神経が優位になっている「まったりタイプ」
カリカリし過ぎず、適度なリラックスができている状態です。しかし、まったりし過ぎると倦怠感が募るようになり、やる気を失うことや、食欲のコントロールがうまくいかず食べ過ぎて太ってしまう人もいます。また、大人になってから発症するアレルギー疾患や喘息などは、「まったりタイプ」の自律神経バランス時に多く起こります。朝、交感神経を高める工夫が必要でしょう。
テストの結果:B-Eの人
交感神経と副交感神経のバランスがちょうどいい「安定タイプ」
交感神経と副交感神経が程よいレベルでバランス良く整っています。集中力や意欲を持って仕事に取り組むことができる上に、趣味の時間や余暇はスイッチを切り替えて、うまくリラックスモードに入っていけます。ただし、年齢とともに自律神経バランスは崩れやすくなります。意識して自律神経を整える生活を心がけてください。
テストの結果:B-F 、C‐E、C‐F
交感神経・副交感神経ともにレベルの低い「ぐったりタイプ」
シーソーバランスだけを考えると、交感神経と副交感神経の機能レベルは同じくらいで安定した状態ですが、いずれもレベルが低過ぎます。エンジンがかかりづらく疲れやすいため、仕事をこなしきれないこともあるはずです。人から苦言を呈されても奮起する力は沸かず落ち込むばかり。放置しておくとうつ病などの精神疾患を発症する恐れもあります。活動と休息のメリハリをつけることを第一に、生活習慣を見直す必要がありそうです。
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体調不良の原因が自律神経にあることが見えてきた方も多いのではないだろうか。次回は、自律神経を整える、毎日の習慣についてうかがう。
【このシリーズの記事を読む】
→自律神経を整える<1>朝にする5つの生活習慣
→自律神経の乱れを整える<2>目覚めに行う「ダーウィン体操」
→自律神経の乱れを整える<3>自律神経バランスをセルフチェック!
→自律神経の乱れを整える<4>高齢者の熱中症対策!夏に実践したい7つ
監修:新井幸吉(あらい・こうきち)
医学博士。奈良県立医科大学大学院修了後、牧野病院整形外科、清恵会病院整形外科を経て、医療法人永光会理事長に就任。60歳を機に、整形外科医から内科医へ転身。外科手術に頼らない生活習慣病や慢性疾患の改善に取り組み、病気を未然に防ぐ「健康寿命の延伸方法」にも力を注いでいる。病院、クリニック、介護施設、居宅介護施設など、医療と介護の二本立てによって、高齢者が安心して生活できる福祉の町づくりに貢献。著書に「生涯健康に暮らしたければ『自律神経』を整えなさい」があり、TVでもスーパードクターとして紹介されている。
取材・文/鹿住真弓