医療法人が運営するクリニック併設の介護付有料老人ホーム<前編>
往診で見た介護の現場が原点
増田理事長は1994年の増田クリニック開設以来、「すべては患者様のために」を理念として、医療と介護の包括的支援を目的に地域で活動をしてきた。そして、往診の際に自分の親を預ける気にならないような介護現場の状況を目にしていたそうだ。その時の経験をもとに24時間、医師と看護師が常駐する有床診療所を1階に併設した有料老人ホームを作ったという。
24時間365日、何かあれば同じ建物の1階から医師、看護師が駆けつける。法律で定められた基準以上の人員も必要があれば配置する。入居者のために行動する指針がはっきりしているのだ。
「私たちは医療と介護の両輪で仕事をしているので、連携を取りやすいです。情報もすぐに伝わり、緊急時には私の携帯がすぐに鳴ります。医療と介護で困っている方は、気軽に相談してほしいですね」(増田理事長、以下「」内は同)
医師である増田理事長と話をしていると、まず医療人として入居者に対して何ができるのかを真摯に考えていることが伝わってくる。まず理想像があり、次にそれをどうすれば実現できるのかを常に考えているという。
「サービス付き高齢者向け住宅も運営していますので、ライフスタイルに合わせた対応ができます。医療が必要な方にも、私たちが責任を持って対応しますよ」
容生会のサービス付き高齢者向け住宅「ようせいメディカルコート」も医療サポートが充実しているため、介護度が高くなっても住み続けることができる。医療法人にしかできないものをというコンセプトで立ち上げ、行政にも驚かれたという。見学に来る会社も多いというが、そっくりそのままマネをするのは難しいだろう。
増田理事長の思いは建物にも表れている。廊下や共用スペースは広く、明るくするために窓を大きくし、ガラスもうまく使っている。里山をコンセプトにした色を各階に使い、和やかな雰囲気だ。何か問題が発生してもすぐに気付けるように、各フロアの見通しをよくしているのだという。建設会社と何度も話し合い、計画を練っていったとのこと。
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次回、後編では増田理事長の思いが詰まった施設内を詳細に紹介する。通常の高齢者施設ではなかなか目にすることがない、医療法人だからこその内容をお伝えしたい。
【データ】
施設名:ようせいメディカルヴィラ
公式WEBサイト:http://www.yosei.or.jp/villa/
所在地:東京都足立区東保木間2-1-1
最寄駅:
●つくばエクスプレス六町駅から→東武バス【竹17】竹ノ塚駅東口行(足立総合スポーツセンター経由)「第四都営住宅」下車徒歩1分
●東武スカイツリーライン竹ノ塚駅東口から→東武バス【竹17】六町駅行(足立総合スポーツセンター経由)「第四都営住宅」下車徒歩1分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:医療法人社団容生会
敷地面積:1640.91平方メートル
延床面積:3689.34平方メートル(有料老人ホーム2742.44平方メートル)
室数:60室
入居要件:入居時自立・要支援・要介護
構造:RC造地上5階建(内、有料老人ホーム1階の一部及び2階から5階)
開設年月日:2008年5月1日
料金:
「プランl」入居一時金0円、月額費用290,500~320,500円
「プランll」入居一時金240万円、月額費用240,500~270,500円
「プランlll」入居一時金480万円、月額費用190,500~220,500円
※月額費用内訳:
・家賃相当額(階層、向きにより異なる)
「プランl」151,000~181,000円
「プランll」101,000~131,000円
「プランlll」51,000~81,000円
・管理費74,700円(プラン共通)
・食費64,800円(30日欠食なしの場合の金額)
※経管栄養の方は食費の代わりに経管栄養管理費(617円/日)
※上記の他に介護費用自己負担額、医療保険自己負担額、日用品費などが必要
撮影/津野貴生
【このシリーズのバックナンバー】
●個別の機能訓練に対応した介護付有料老人ホーム<後編>
●個別の機能訓練に対応した介護付有料老人ホーム<前編>
●リハビリに力を入れる小規模介護付有料老人ホーム<後編>
●リハビリに力を入れる小規模介護付有料老人ホーム<前編>