鶴瓶も愛するサウナがボケ防止に!? 「認知症リスクが66%減」のデータも
町の健康ランドに近所のオジサンたちが集まって、腰にタオルを巻き、しかめっ面で汗をタラタラ――そんなサウナのイメージはもう古い。スポーツジムやスーパー銭湯、繁華街に増えているオシャレサウナや岩盤浴では、健康と美容のために汗を流す女性の姿が増えている。
「重要な決断は会議室ではなくサウナで決まる」といわれるほど、こよなくサウナを愛する北欧の国フィンランド。オフィスや空港、議会や自宅にまでサウナを作ってしまうお国柄だけに、「サウナ研究」でももちろん世界の最先端を走っている。そんなフィンランドで昨年12月上旬、ある研究論文が発表され、注目が集まっている。
東フィンランド大学の研究チームによる論文が発表されたのは国際医学誌『age and ageing』オンライン版(2016年12月7日号)。その内容をごく簡単に言えば、「サウナにたくさん入る人ほど、認知症になりにくい」というものだ。
研究チームはまず42~60才のサウナ好きで健康なフィンランド人男性を約2000人集めた。それを「週に1度」「週に2、3度」「週に4~7度」サウナに入る3グループに分けて、20年間という長期間にわたって彼らの健康状態の追跡調査を行ったという。
調査の結果、2000人のうち204人が認知症になり、その中の123人がアルツハイマー型認知症と診断された。研究チームが驚いたのは、サウナに入る頻度によって、認知症の発生率が違っていたことだ。体重や血圧、飲酒や喫煙などの他の要素を考慮した上で、「週に1度」に比べて、「週に4~7度」は認知症のリスクが66%も少なく、アルツハイマーも65%少ないという結果が出たのだ。
論文によると、なぜサウナ浴の多い人が認知症になりにくいかの医学的な理由は不明。とはいえ「サウナがボケ防止に効果あり」とは、超高齢化社会の日本人にとって、手に汗握るほどの大発見であることは間違いない。
情報番組『あさイチ』(NHK)は昨年11月、「サウナで温活」という特集を放送し、サウナに足を運ぶ女性が増えていることを伝えた。昨年頃からライフスタイル誌や女性誌でも、サウナを取り上げた特集が増えている。
有名人でも鈴木砂羽(44才)は「3度のメシよりサウナが好き」というほどの“サウナー”。ちなみに、サウナーとはサウナ愛好者のことを指す、最近流行りのワードだ。天海祐希(49才)の美肌もハーブサウナの賜物だとか。笑福亭鶴瓶(65才)は都内のサウナで落語の台本を読みながら汗をかく姿がよく目撃されている。
サウナの効果はボケ防止だけではない。血行をよくすることで疲労回復や女性に多い冷え症も解消できる。汗をかけばデトックスもできるし、毛穴がきれいになって美容にも効果がある。
上手な入浴のポイントは以下の通りだ。
・食事はほどほどにすませ、水分を多めに摂る。
・入る前には「かけ湯」をして発汗を促す。
・入浴時間は5~15分程度。「ガマン比べ」はしない。
・サウナと水風呂に交互に入る「温冷交代浴」を3セット。
たったこれだけで、ボケ防止と健康と美容に効果あり。さて今宵は、サウナで一汗、どうですか。
※女性セブン2017年1月19日号