認知症患者の過剰服薬対策に! 話題の「偽薬」正しい使い方
「いろいろな施設の話を聞くと、認知症の患者さんが薬を飲みすぎたり、何度も要求してきたりといったことに対して、薬と似た形のものを飲んでもらう方法を取っていることが多くあります。中にはタブレット型のお菓子を、薬と称してして渡したりして対処しているそうです。ただ、ミントなど味や香りが強いものだと飲みづらいでしょうし、また患者さんにバレてしまう心配がありますね」
「素材は味や香りにクセのないものにしようと、開発当初はデンプンを考えたのですが、崩れやすいという欠点があるため、還元麦芽糖にしました。糖とはいうものの、数粒では血糖値が急激に上がるほどの糖分が含まれているわけではありません。小麦や卵といったアレルギー表示が必要な素材も使わないように気を配りました」(水口さん)
偽薬を偽薬と明示して、いたってまじめに販売をしていると、プラセボ製薬はネット上でも話題になっている。
偽薬は介護の「補助」的に。服薬管理はお薬カレンダーとの併用を
購入者の大半は、在宅介護をしている個人で「家族が睡眠薬を飲み過ぎて困っていたが、プラセプラスを代用することで危険がなくなった」、「薬を飲んだ、飲まないでケンカすることがなくなった」といった声が届いているとのこと。介護施設でも利用されているという。
実際、こういった偽薬は家庭での介護に、どう使うのが効果的なのか?
東京都港区の、さいとうクリニック(精神・神経科)林哲也医師は、「認知症の物忘れにより処方薬を何度も服薬する怖れがある場合、対処法の1つとして偽薬を用いることを否定はしません」と話す。
「ただ、あくまで『介護の補助』として考え、「お薬カレンダー」(飲む薬を日付や時間がわかるように、小分けするポケットが付いたカレンダー)などによる服薬管理を行い、生活リズムを可能な限り保つことが、認知症の進行を遅らせるためにも介護の基本と考えます」
記憶障害の度合いが強く家族の対応が困難な場合は、偽薬の利用をかかりつけの認知症医やケアマネージャーなどに相談するといい。
また、プラセプラスは「錠剤を飲むことが苦手な人」のための練習用としても使われているという。嚥下障害のある高齢者の利用など、工夫次第でさまざまな介護のシーンに応用が利きそうだ。
【データ】
プラセプラス
価格:プラセプラス640(アルミ袋包装640粒入り)2752円、プラセプラス30(PTP包装30粒入り)999円、プラセプラス(ビン200粒入り)1480円
販売元:プラセボ製薬株式会社
公式サイト:http://placebo.co.jp/