《シニア世代の友人関係》人生を豊かにする60代からの「グループ旅」 オバ記者が綴る、心地いい”人は人。我は我”な生き方
年齢を重ねるほど、気を遣わずに過ごせる友人との存在はかけがえのないものになる。今回は、かつて花見を楽しんだメンバーを中心に結成された「ひよっこ隊」の60代女性たちによる、1泊2日の那須塩原旅の様子をお届け。オバ記者ことライター野原広子氏(69歳)がリポートする。
ドラマの舞台のような風景と、深まる仲間の絆
「1泊2日、バイキング2食付きの温泉ホテルの割引チケットを知り合いからいただいたのよ。みんなで来ない?」
と誘ってくれたのは30代からのライター仲間のマキちゃんだ。彼女は50代で結婚した夫と那須塩原に移住して10年になる。
で、“みんなで”のみんなは一昨年の5月末にわが郷里である茨城県桜川市で花見をした仲間だ。このとき、東京組はカメラマンのアサノさんのほか、私を含めた60代女が4人。那須からマキちゃんが参加して、わが弟、山ちゃんと妻のナオミちゃんの総勢8人だ。弟夫婦は地元茨城の美味しいものを揃えてくれてね。コロッケひとつで「ひゃーっ! なにこれ!」と東京組は大騒ぎよ。
ドラマの舞台のような風景と、深まる仲間の絆
この花見をさらに盛り上げてくれたのは、東京生まれ東京育ちのアッちゃんだ。車の中から「ひよっこぉー!」と大声をあげた時は、弟夫婦もアッちゃんの幼なじみのアヤちゃんも「ん?」と首を傾げたわよ。けど、アッちゃんが次々と指差す方をみてなるほど納得。農家の後ろは里山で前は田んぼが広がる。この3点セットが朝ドラ『ひよっこ』の舞台、奥茨城村(架空の地名)を象徴する風景で、それが目の前にある!本当にある!と、都会っ子のアッちゃんは興奮したわけ。
「田舎にいたらあまりにもありきたりな風景だからなんとも思わなかったけど、言われてみたら確かに『ひよっこ』だわね」と義妹。なので、花見はドラマ『ひよっこ』のいろんなシーンをそれぞれが思い出して「ああ、あったあった!」と大騒ぎ。カズコさんは「楽し過ぎます」と泣き出したりしてね。あまりにも楽しかったので、“ひよっこ隊”というグループLINEが出来たの。
で、今年も!と花見の計画が始まったところで義妹が急逝。写真参加になってしまったけれど去年と同じメンバーが集まってくれた。その時に「次は私の住む那須塩原市にも来てよ。紹介したい店がいっぱい出来たから」とマキちゃんの発案で、“第3回、ひよっこ隊”は60代女、1泊旅となったわけ。
「人は人、我は我!」他人と比べず、自分の足元を見つめる
「みなさん、個性、強そうですね」と居合わせたカップルが写真を撮ってくれた。ランチプレートは、記憶に残るうまさ。
那須塩原は本州有数の牧場が多い市。搾りたての牛乳で作ったチーズケーキの店では「女子旅ですか? 楽しそうでいいですね」とオーナーに声をかけられた。
で、夜。実は私は肉体労働の体験取材がたたってボロボロ。宿に着くと倒れるようにひと寝入りした。私以外の4人は悠々自適で、あくせく働く必要がない。いいなぁ〜、なんて思ったところでどうにかなるもんじゃないものね。人は人。我は我!
別荘地に中古住宅を買って、夫とDIYしたマキちゃん宅でお茶。「今年は梅干しがうまく出来たのよ」って、ガラスの大瓶が台所にいくつも並んでいる。これまた「いいなぁ〜」とつい口をついて出ちゃう。あ、いかんいかん。人は人。我は我!
旅が見せてくれる「一期一会」の感動を糧にして
それにしても那須塩原ってこんなに野菜がおいしかったっけ? 10年以上前になるけど、私は毎年、両親と年に何回か那須塩原を訪れている。朝夕、バイキングの安ホテルだったけれど、ホテルの料理をおいしいと思ったことはないんだよね。それが今回はいちいち、みんな感動の味だったの。まさに一期一会。これだから旅はやめられないんだって!
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。2021年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑で、やせたの?』を出版。実母の介護も経験している。
