兄がボケました~認知症と介護と老後と「第78回 続・ツガエ後見人への道」
認知症を患う兄の成年後見人になるために、あれこれとややこしい手続きをしてきたライターのツガエマナミコさん。ようやく必要書類の提出や兄の面接も終わり、成年後見人になれるのか、裁判所の決定を待つばかりとなったのですが、その手続きにかかった費用の請求書の額を見て「ぎょっ」としたというのです。
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司法書士の先生からの請求額
先日、請求書が届きました。
兄の成年後見人申請でいろいろ動いていただいた司法書士の先生からのものでございます。
わたくしが兄の成年後見人になれるかどうかは、あくまでも提出した資料を読んだ家庭裁判所の方が決めることですし、まだ何も決まっておりません。でも“家庭裁判所への必要書類の提出は終わった”とのご報告はいただいておりました。
いくらの請求が来たと思いますか?
「後見開始申し立て」の報酬額として220,000円+消費税22,000円
「切手代・交通費・収入印紙代など」として15,830円
合計257,830円でございました。
相場がまったくわからないので、良心的なお値段なのかもしれませんが、金額を見た瞬間ぎょっといたしました。やはり「士」資格のお仕事ともなれば、このくらいの報酬になるのだな、と学ばせていただいた次第でございます。
我が兄と同時に、認知症の叔父の後見人申し立てをしているので、少なくとも叔母の元にも同額程度の請求書が行っていると思われます。
これだけのお支払をして、後見人に認められなかった日には丸損です。
家庭裁判所の決定が出るまでは、まだもう少し時間がかかりそうでございます。司法書士の先生のお話では、家庭裁判所の方による兄とわたくしへの面談があるとのこと。本当に兄は後見人が必要な状態か、わたくしがどんな人間かを直接確かめに来るのでございます。いろいろ質問されるようです。それがいつになるかはまだわかりません。
後見人になったらなったで、毎年兄の財産の出納記録を家庭裁判所へ提出しなければなりません。それが複雑で面倒なことなのか、簡単に済むことなのかもやってみなければわかりません。考えると憂鬱になります。
でも、新しい経験は面白がるに限ります。兄が認知症にならなければ成年後見人という言葉も知らなかったと思います。まして後見人申し立てをするだけで、こんなにお金がかかるとは……。人生後半でもまだ学びの多い人生でございます。
学びといえば、昨年の6月末から週1でプールに通い始めてちょうど1年になりました。25mを泳いだだけでこの世の終わりかと思うほど息が上がっていたツガエも、そこそこ心肺機能が鍛えられたのか1時間泳いでもかつてのようにゼーゼーハーハーしなくなりました。人の身体はちゃんと変わるものですね。
しかし、なぜか変わらないのがボディーのシルエット。水着は窮屈なまま、ウエストに脂肪の浮き輪が健在でございます。このようなボディーラインを公衆の面前にさらし、運動をすれば精神と肉体の両面ですこしは痩せられるのではないかと思ったのですが、見通しが甘かったようでございます。
計画では今頃スマートになって、みんなに「え?痩せてない?」と言われているはずでした。そう言われてはじめて「そう?プールで泳いでいるからかな~」と、白々しくプール通いを公表し、みんなに「え?プール行ってるの?」「いつから?」「どこ?」「いくら?」など質問攻めに遭うというシナリオを勝手に妄想していたのでございます。
でもこの分では、わたくしがプール通いを公表するためのきっかけである「え?痩せてない?」を聞ける日は当分来ないと思われ、計画は風前の灯となっております。
とはいえ1年続けたことをやめるのはもったいないですし、大げさにいえば「体がプールを求めている」と言えるくらい水の中でリラックスできるようになったので、例え痩せる日が来なくても続けたいと思っております。
もうすぐ本格的な夏。今年も猛暑(35℃以上)と酷暑(40℃以上)の毎日になると思われます。みなさま、どうかお身体に気を付けて、ご自愛くださいませ。
文/ツガエマナミコ
職業ライター。女性63才。両親と独身の兄妹が、2012年にそれぞれの住処を処分して再集合。再び家族でマンション生活を始めたが父が死去、母の認知症が進み、兄妹で介護をしながら暮らしていたが、母も死去。そのころ、兄の若年性認知症がわかる(当時57才、現67才)。通院しながら仕事を続けてきた兄だったが、ついに退職し隠居暮らしを開始。2024年夏から特別養護老人ホームに入所。
イラスト/なとみみわ
