「訪問介護サービス」、介護保険内で”頼めること・頼めないこと” 保険外サービスを利用するなら「週末」に何を頼むべき?
介護保険適用範囲内の訪問介護でホームヘルパーに頼めるのは「身体介護」「生活援助」「通院等の乗降車等の介助」の3つ。本人の自立度によっても異なるが、介護保険だけで対応しようとすると、対応しきれないことも多く、負荷が大きくなってしまうこともある。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、介護保険適用範囲内で依頼できることと、自費での介護サービスの上手な組み合わせ方を教えてもらった。
教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
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自宅でサポートを受けるものと移動時にサポートを受けるものとに分けられる
「身体介護」「生活援助」「通院等の乗降車等の介助」の大きな違いは、主なサポートを受ける場面が自宅かどうかです。自宅内でさまざまなサポートを受けるものが身体介護と生活援助で、通院や薬の受け取りが必要な場合に、車や電車などへの乗り降りなどをサポートするのが通院等の乗降車等の介助です。
なお、「乗降車等の介助」といっても、外出時の準備や、病院での受付手続きの代行、薬局での薬の受け取りなどもサポート範囲内に含まれています。
身体介護と生活援助の違いは「要介護者の体に触れるかどうか」
身体介護では、日常生活を送るのに必要な動作などが難しい要介護者に対し、ホームヘルパーが直接体に触れて支援をします。主な内容としては、食事や入浴、排泄、洗顔、歯磨き、着替え、服薬などの介助、床ずれ予防のための体位変換、ベッドから車いすなどへの移動の介助などです。
一方、生活援助は要介護者が日常生活を送るのに必要な支援を行うもので、調理や掃除、洗濯、食事や日用品の買い物など、要介護者本人が自分でできない家事などを代わりに行います。家事代行が中心で、体に触れることはないほか、要介護者以外の家族分の家事や、大掃除やクリスマス料理、ペットの世話や草むしりなどの日常生活の援助に当てはまらない家事は行いません。
介護保険利用の費用は1~3割負担
訪問介護は介護保険が適用されるため、1~3割程度の負担でサービスを受けることができます。身体介護は1回の利用時間によって料金が変わり、1割負担の場合、20分未満なら160~200円程度、20分以上30分未満なら240~250円程度、30分以上1時間未満なら380~400円程度と、細かく決まっています。生活援助の場合は、20分以上45分未満なら、1割負担で170~190円程度、45分以上なら220~260円程度です。通院等の乗降車等の介助は時間による定めはなく、1回あたり、1割負担で90~100円程度です。このほか、夜間や早朝、緊急時の対応などでは別途料金が加算されます。
注意点は、 65歳以上で合計所得金額が160万円以上(単身)などの一定所得がある場合は2割、220万円以上は3割負担となります。
また、 同じ利用者に同日2回以上サービスを提供する場合、間隔が約2時間未満であれば1つのサービスとみなされる「2時間ルール」があります。また、利用額が高額になった場合は「高額介護サービス費」などの負担軽減制度の利用ができます。
受けるサービスはケアプランで定められる
訪問介護でどのような支援を受けるかは、ケアマネジャーが作成するケアプランで定めます。要介護者本人にどのような支援が必要なのかを踏まえて判断されるため、必ずしも本人や家族が受けたいサービスを受けられるとは限りません。
例えば、要介護者が家族と同居しているが、家族は仕事で忙しく日常の家事が満足にできないといった場合、「介護保険で生活援助のサービスも受けたい」と考えることが想定されますが、同居家族がいる場合、「家族が自分の家事をする際に要介護者の家事もすればよい」とされるため、家族と同居していると生活援助のサービスを受けることは認められないケースが多いです。
介護保険が使えなくても自費で介護サービスを受けられる
介護保険で受けられるサービスには制限がありますが、自費で介護保険適用範囲外の介護サービスを依頼することはできます。
例えば、介護の資格をもった家事代行スタッフを専門に派遣している民間サービスなどもあるので、要介護者の介護に加えて、家族分を含めた家事代行もお願いするといったことも可能です。
週末のみ自費で家事代行と介護のサービスを頼むという手も
組み合わせ方はさまざまですが、私がおすすめしているのは、平日のみ介護保険の範囲内で訪問介護をお願いし、土日のどちらかだけ自費で介護と家事代行を両方できる民間サービスをお願いすることです。平日に家事の時間が取れずとも、週末に家のことを整えることができますし、土日に介護サービスをお願いしている時間を息抜きに充てることもできます。
要介護の親と別居している場合にもおすすめ
要介護者と同居していない場合でも、定期的に家事代行を頼むのはおすすめです。要介護者が一人暮らしの場合は介護保険で生活援助を利用することはできますが、あくまでも日常生活の範囲内の家事が対象です。例えば、窓拭き、ベランダ掃除、換気扇の掃除などは対象外になります。
自費の家事代行であれば、このような緊急性の低い場所の掃除や片付けなどもお願いできるので、別居していても家の状態をきれいに保つことができます。
取材・文/新藤まつり
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