新・指定野菜《ブロッコリー》高齢者向けの活用法「下ごしらえ・調理法・味つけ」3つのコツを管理栄養士が解説
2026年4月から新たに国の「指定野菜」になり、より身近になったブロッコリー。栄養豊富な一方で「かたくて食べにくそう」「調理が面倒…」と思っていませんか?「調理のポイントを抑えれば、高齢者の食事や介護食におすすめですよ」と管理栄養士の川鍋仁美さん。ブロッコリーを介護食に活用する際のポイントを教えてもらった。
教えてくれた人/管理栄養士・川鍋仁美さん
管理栄養士。2児の母。大学卒業後、総合病院に勤務。介護食・嚥下食などの献立作成や栄養相談など行ってきた経験を活かし、現在はデイサービスで高齢者の栄養サポートなどを行う。介護する人もされる人も笑顔になれる「介護食作り」を目指し、活動中。「管理栄養士が伝授!いちばんやさしい介護食ガイド」の運営・執筆も手がける。https://eiyousupport.com/
新・指定野菜「ブロッコリー」の賢い調理法を知ろう
ブロッコリーは栄養価が高いのですが、咀嚼や嚥下機能が低下してきたかたに提供するときは、調理に工夫をする必要があります。介護中のご家庭や高齢者が安心して無理なくブロッコリーを食べていただくポイントをご紹介します。
【1】介護食×ブロッコリー「下ごしらえのポイント」
ブロッコリーは加熱の仕方によって食べやすさや美味しさにも大きな違いが生まれてしまいます。介護食で利用する場合は「やわらかさ」を意識して加熱調理することがポイントです。
茹で時間は長め「5分」が目安
ブロッコリー小房は、一般的に茹で時間は2~3分程度ですが、介護食で利用する場合はもう少し柔らかく仕上げたいので5分は茹でるようにしましょう。指で軽く押すとつぶれるくらいの柔らかさが目安です。
小房に分けるときは同じ大きさに
かたさのムラを防ぐためにも、茹でる前の下処理の際に房の大きさをある程度揃えておく必要があります。
電子レンジより「茹でる」「蒸す」のが安心
電子レンジ調理は加熱ムラができやすいため、介護食として使うときは、均一にやわらかく仕上がる調理方法、「茹でる」や「蒸す」がおすすめです。
電子レンジの加熱調理は栄養素は失われにくいのですが、均一に仕上がらないことも。電子レンジを使う場合は、小房に分けたブロッコリーを一度水に浸して水分を含ませ、ふんわりとラップをかけて加熱。加熱時間は600W・3分程度が目安です。加熱後に全体のやわらかさを必ず確認して、かたい場合はさらに30秒ほど再加熱しましょう。
「芯」は厚めに皮をむいて活用を
ブロッコリーは茎の部分も栄養価が高いので捨てるのは御法度。茎の部分は、つぼみ部分よりも食物繊維が多く、むくみや血圧を下げる働きも期待できるカリウムも豊富です。
高齢者の食事や介護食で利用するときは、必ず外側の皮を厚めに剥き、薄く切ってから茹でるとやわらかく仕上がります。
【2】嚥下状態に合わせて食べやすくする調理法
ブロッコリーは食べるかたの嚥下状態に合わせて、形を変えやすい食材でもあります。噛む力・飲み込む力を見極めながら、無理なく食べられる形に調整しましょう。
やわらかめに茹でて一口サイズに
噛む力が残っているかたの場合、小房に分けたブロッコリーをやわらかめに茹でます(5分ほど)。さらに一口サイズにカットして提供するとより食べやすくなります。
刻んでとろみをつける
噛む力が弱ってきている場合、細かく刻んで提供しますが、そのままだと口の中でバラバラになってしまい、飲み込みにくいケースも。とろみあんをかけたり、マヨネーズで和えたりすることで、口の中でまとまりやすくなり、食べやすくなります。
ペースト状に
噛む・飲み込む力が低下している場合には、ペースト状にして提供します。だしなどの水分を加えてミキサーにかけると、なめらかなペースト状になり口当たりもよくなります。
【3】「味つけ」で食べやすくするコツ
ブロッコリーはクセがなく食べやすい野菜ではありますが、独特の青臭さや苦みを感じる高齢者もいるかもしれません。そんなときは味付けを工夫してみましょう。
加齢によって味覚が低下するといわれています。とくに「甘み」「塩み」を感じにくくなり、「苦み」が目立ちやすくなるケースがあります。高齢になり野菜などの苦みを強く感じやすくなるのはそのせいかもしれません。
苦みが苦手な高齢者には、コクのある食材と組み合わせるのがおすすめです。マヨネーズや練りごま、チーズなどコクのあるもので和えることで、苦みが緩和され、味がまろやかになって食べやすくなります。
また、ブロッコリーに含まれる栄養素の中には油と組み合わせることで栄養の吸収率がアップするものもあります。オリーブオイルやバターなどで和えると風味がアップし、栄養の吸収率も上がるので一石二鳥です。
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指定野菜になり、私たちの食卓により身近になったブロッコリーを、おいしくムリなく食事に取り入れていきましょう。
