《最旬!防災家電3選》シニア世代の家庭に備えおきたい充電式ランタンやポータブル電源の準備・選び方を家電のプロが解説
毎年9月は「防災月間」。台風シーズンでもあるこの時期、改めて自宅の防災用品を見直したい。中でもシニア世代が持っておくべき電化製品とは? 家電ライターの田中真紀子さんに教えていただいた。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
懐中電灯/足元灯
停電時に備え、シニアが持っておくべきものは何か。田中さんが真っ先に挙げたのは、夜間停電時の避難に欠かせない懐中電灯や足元灯だ。
「明りがないと、慌てて避難しようとして何かにつまずき転倒してしまうリスクがあります。転倒すると大怪我につながり、その後の避難が困難になってしまうので、足元の安全を確保するためにも懐中電灯は枕元に常備したいですね。廊下や寝室などには、人感センサーで明りがつく足元灯も設置しておくといいでしょう」(田中さん・以下同)
暑さ寒さをしのげるポータブル家電
停電などを想定し、暑さ・寒さをしのげる家電も用意したい。
「停電時を想定して電源を使わなくても稼働するものがいいですね。夏なら充電式扇風機やハンディファン、冬なら充電式の電気毛布やヒータークッション、身にまとえるタイプの毛布があると安心です」
モバイルバッテリー
携帯電話やスマートフォン(以下「スマホ」)が充電できるモバイルバッテリーも準備しておきたい。モバイルバッテリーがあれば停電時でも電源を使うことなく、USBケーブルを使って携帯電話やスマホに充電ができる。
「身内や知人と連絡を取り合ったり情報を収集したりするために、スマホは欠かせません。携帯ラジオもあると便利ですが、スマホがあればラジオも聞けるので、モバイルバッテリーを常備し、スマホが使える状態にしておくことが優先です」
今は軽量で手のひらに収まる小型サイズのモバイルバッテリーが数多く販売されている。万一に備え外出時も携行しておきたい。
ポータブル電源
田中さんは、モバイルバッテリーだけでなく、消費電力の高い家電を複数充電できる「ポータブル電源」も自宅に置いておくことをすすめる。ポータブル電源にはリチウムイオン電池が内蔵されているため、電化製品の電源コードをつなげば給電できるものだ。
「前述のポータブル家電や足元灯など充電式のものが多いので、ポータブル電源も用意しておくと心強いです。離れて暮らす親の家に、見守り家電を活用している場合、停電時には親の様子がわからなくなってしまうので、ポータブル電源があると安心です」
ポータブル電源の選び方
ポータブル電源は、どんなものを選んだらいいか分からない人もいるだろう。田中さんは、こうアドバイスする。
「ポータブル電源は、容量に比例して値段が高く、重量も重くなる傾向にありますが、容量が大きければ、ホットプレートや電気ケトルなど消費電力の高い家電も使えます。
ただし、重過ぎていざというときにうまく使えなくては意味がありません。
一般的に、スマホやタブレットのほか、小型家電の充電なら、300W~500W出力のポータブル電源(重さは3~5kg前後)を選ぶといいでしょう。
一方、災害時などには1000W出力以上のタイプを選ぶと、冷蔵庫やエアコンなどに給電もできますが、10kg以上と本体も重くなります。
取り扱いのほか、今使えなくなると困る家電は何かを考え、それが動かせるだけの容量のものを選びましょう。
ポータブル電源には、セットで販売されている太陽光パネルから充電できるタイプもあるので、停電が長引くことを想定する場合は、セットで購入しておくと安心です」
保管のポイント
ポータブル電源を買った場合、非常時まで物置で眠らせておくのではなく、日常的に使うことを田中さんはおすすめする。
「ポータブル電源は、繰り返し使っていると寿命が短くなると思われているかもしれませんが、実は使っていないときにも自然放電しています。
電池の劣化などを気にして保管しておくのではなく、日常的に使っておくことをおすすめします。コンセントの1つとして使って充電して普段から活用しておけば、停電時に充電が切れていたり、使い方に迷うこともないでしょう。
台風や豪雨などは予報があるため準備ができますが、地震はいつ起こるかわかりません。そのため防災用品は普段から使い、使い方や充電状況を把握しておくことが大切です」
以上を踏まえて、シニアにおすすめの防災家電を3点教えていただいた。
最旬!防災家電3選
※価格は2025年8月25日時点、税込。