サ高住の新しい形「小規模多機能型居宅介護」併設の住まい
民間企業が運営するサービス付きの高齢者向け住宅(以下、サ高住)、いわゆるサ高住は、現在約8万戸を超え、全国に拡大中。そんな中でも少人数制のアットホームさと、家族が安心できる多彩なサービスで人気を集めている新たなタイプを紹介する。
パナソニック エイジフリーハウス川崎有馬
東急田園都線の鷺沼駅からバスで約7分、緑豊かな住宅街に建つ「パナソニック エイジフリーハウス川崎有馬」は、高齢者向けの住まいとしてだけでなく、デイサービス、ショートステイなどさまざまな介護保険サービスを同じ建物内で受けられる今注目のサ高住だ。
1階は居室や共同食堂のほか、デイサービス利用者に開放している食堂やショートステイのための宿泊室がある。居住者と外部の利用者の空間は、間仕切りでしっかり分けられているなどの配慮も。
1階の一部と2階が主に居室になっている。階段を上がると吹き抜けの廊下には明るい光が差し込み、広い廊下の両側に居室が並ぶ様子は、高級ホテルのようだ。
小規模&多機能型を目指す
高齢者向けの賃貸住宅と介護サービスをリーズナブルに提供する目的で、2015年11月に建てられた「パナソニック エイジフリーハウス川崎有馬」。
地域密着の介護拠点を目指し、地域医療との連携や、温かい食事の提供など、小規模でも多彩なサービスを提供し、人気を集めている。
「こじんまりしていて家族のようなつながりを感じられる場所。少人数制だからこそできる、1人1人に寄り添ったサービスを目指しています」
こう語るのは、運営を手がけるパナソニックエイジフリー株式会社の森田浩一さんだ。
「“寄り添う”“支える”をテーマに、24時間365日スタッフが常駐し、見守りケアを行なっています。館内のキッチンで作った温かい食事を朝昼晩と提供。地域の医療機関と連携しているので、緊急時の対応も可能です」(森田さん 以下「」内は同)
さらに、郵便や宅配便の預かりなどのフロントサービス、リネン交換といった生活支援など、多くのサービスが付属している。
パナソニックは、1998年から介護事業に参入しており、介護住宅の建築建材をはじめ、簡易トイレやベッドなどの介護用品、家電に至るまで一貫して生産体制を整えてきた。館内には、同社のイオン発生器『ナノイー』や空気清浄機などが随所に設置されており、介護施設にありがちなニオイを全く感じない爽やかな空間だ。