サ高住の新しい形「小規模多機能型居宅介護」併設の住まい
トイレまで最短でいける部屋
「サ高住は、いわゆる賃貸住宅。終身で高額の利用権を買う介護付有料老人ホームと違って、他にかわりたい場合は賃貸契約を解除すればよいんです。『エイジフリーハウス』は、入居一時金が不要なので、状況に応じて入退去しやすいというメリットもあります」
別の施設の入所待ちの間に、長期ステイ先として利用するという使い方をする人もいる。部屋のタイプによるが、家賃は8万3100円、これに食事やサービス費が加わり月額総額18万円2250円からとなっている。
居室に鍵がかかるのでプライバシーは確保されるが、ベッドなどの家具は自分で用意する必要がある。
各部屋は正方形に近い間取り。部屋の中央にベッドを置くとトイレまでまっすぐ最短で移動できるなど、1人で行動できるように自立を促す設計になっている。また、スライド式の扉は、指を挟まないようにゆっくり閉まるなど、高齢者に優しい配慮が見られる。
働きながら介護する人に優しい
最大の特徴は、併設されている介護保険サービスの事業所「小規模多機能型居宅介護」。住んでいる人も、外部利用者も、同じ敷地内で介護保険サービスを受けることができる。
介護サービスを利用する場合は、登録制になっている。料金は要介護度に基づいて必要なプランを選べる定額制。一律の包括料金となっている。
外部利用者の料金も同様。デイサービスの利用中、急な仕事で迎えが遅くなるときなども、料金が定額のため追加の費用はかからない。
「『エイジフリーハウス』では、急な残業のときには電話1本いただければ対応できます。夕飯を追加していただき、夜迎えにきていただければ大丈夫。急な出張が入った場合など、宿泊に切り替えていただくこともできます。24時間見守り体制をとっているため、安心してご利用いただけます」
利用時間の延長や食事、宿泊など、臨機応変に対応してくれるのは少人数ならでは。働きながら親の介護をする人にとってメリットが大きい。
「利用者もスタッフも心からありがとうといえる関係。少人数だからとてもアットホームなんですよ」と森田さんが言うように、リビングには笑顔があふれ、スタッフも利用者もくつろいだ様子。男女の比率は半々で、現在18名が登録している。
介護する人も、される人も、心地よく過ごせる「エイジフリーハウス」。今回取材した有馬をはじめ、現在全国に東・名・阪を中心に30拠点、2018年度には150拠点に拡大する見通しだ。
【データ】
施設名:パナソニック エイジフリーハウス川崎有馬
公式WEBサイト:http://sumai.panasonic.jp/agefree/facility_care/agefree-house/kawasakiarima/
所在地:神奈川県川崎市宮前区東有馬4丁目25番3号
最寄り駅:東急「鷺沼」駅から鷺02系統バス約7分「下有馬」バス停下車 徒歩5分(約350m)、地下鉄「センター北」駅から鷺03・04系統バス約7分「有馬変電所」バス停下車 徒歩9分(約700m)
類型:サービス付き高齢者住宅(※土地・建物の権利形態:賃貸)
構造:木造2階建、バリアフリー構造
居室数:20室(全個室18.6平米)
定員数:20名
入居料金:要介護2の場合でAタイプ/月額197,118円(内訳:入居一時金0円、家賃83,100円、共益費24,000円、サービス費22680円、食費3食30日分52,470円、介護料金14,868円)
介護サービス費用:居住者・要介護2の場合/月額14,868円、居住者以外・要介護2の場合/月額16,502円、実費(昼食・おやつ代込み720円、夕食669円など)、宿泊費1泊3780円
運営会社:パナソニック エイジフリー株式会社
撮影/下重修