要介護5になってからの寿命は…要介護5の親を自宅介護した体験を春やすこさんが語る
一方、父が要介護5、母が要介護4の認定を受けたことで、公的サービスを最大限利用できた。
介護ベッドや車椅子などの福祉用具の貸与や購入費の支給など、さまざまな介護サービスが受けられたことについて春は「本当に助かりました」と語る。
「訪問介護に来てもらったり、お泊まりデイサービスを組み合わせたり、積極的に使わせてもらいました。
地方での仕事の時はもちろんですが、自分のやりたいことをするために使ったこともあります。
例えば、私はゴルフが趣味なんですが、普通のデイサービスだと早くても朝9時からですけど、お泊まりデイサービスだと前日から来てくれるのでゴルフに出かけられるんです。
介護をすべて自分でやると思ってたら、もう大変でやっていけなかったと思います。そうなったらおおげさでなく、親子心中するとか、親を殺すとか、そこまで追い込まれることもあったかもしれません」
→介護が始まるときに慌てない!要介護認定の申請、介護保険サービス利用の基礎知識
要介護5の父に次いで母も…
父親が亡くなって以来、入退院を繰り返していた母親は、要介護度5となり、昨年9月から入院生活を送っていた。そして先月23日、春がいつものようにお昼前に母親を病院に見舞った日のこと――。
「その病院の駐車場が35分になったらお金が取られるんで、いつも30分過ぎたら病院を出るんです。“お母さん、帰るわな”と言ったら、“うん”と言って。それが車で数分の自宅に帰ってしばらくしたときに、病院から“お母さんの容体が急変したので、すぐ来てください”という連絡があったんです。私が駐車場代をケチらなければねぇ…」
そう苦笑しながらも、その時のことを思い出したのだろう、春は大粒の涙をこぼした。
両親の最後を看取った春やすこさんが思うこと
「私が病院に駆けつけたとき、母はベッドの上で、酸素マスクをしていました。それはもう10年以上も、母を苦しめていたものです。肺気腫のせいで、自分では二酸化炭素の排出がうまくできず、夜眠るときも外せなくて…。だからお医者さまに、“もう外してやってください”ってお願いしたんです」
母が亡くなってもうすぐ1か月。4745日にわたる両親の介護を終えた春に今の気持ちを問うと、こんな答えが返ってきた。
「私の人生を振り返ってみて、“ヤッタ!感”があることは、お産と、両親の介護と、両親の最期を看取ったこと。これだけは『ヤッタ!』と思っているんですよ」
※女性セブン2016年9月1日号
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