猫が母になつきません 第435話「ペット」
大家さんちの犬は白いテリアで、もともとは大家さんのお姑さんが飼われていたペット。お母様は今105歳で施設で暮らしておられます。「母が94歳のときに飼い始めたのよ、どお思う?結局私たちが預かるしかないじゃない?」と大家さんは口では不満げにおっしゃるのですが、話題によく出てくるし、かわいくてたまらない様子。旦那様が毎日朝夕2回散歩に連れて出られるのに時々行き合います。
プレーリードッグを飼っておられたという大家さんのお友だちにはいろいろお聞きしたかったのですが、悲しげに「主人のことが大好きだったのよ…」とちょっとまだ「ロス」をひきずっておられる様子だったので遠慮してしまいました。プレーリードッグへの興味を満たすべく帰ってすぐにインターネットで検索。丈夫な歯でいろんなものを齧ったり、トイレを覚えないなどペットとしての難易度は高い。大家さんのお友だちも飼おうと思ったわけではなく飼うことになってしまったという言い方をされていたので、成り行きで飼うことになったもののお世話は大変だったと思いますが、だからこそ可愛さもひとしおだったのでしょう。
うちのさびは「置いていくんでよろしく」という母猫に託されパターン。おふたりと同じようにペットを飼うつもりはなかったけど結局猫沼に…。
ちなみにプレーリードッグは「草原の犬」という意味で、イヌ科ではないのですが警戒時に「キャンキャン」と犬のような鳴き声を出すのでドッグという名がついたそうです。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。