猫が母になつきません 第410話「みずまき」
この夏、朝夕の水まきが習慣になりました。あまりに暑いので打ち水効果で少しでも体感温度を下げるためと、庭の木が枯れないようにするためと。家の周りは昔ながらの生垣で囲まれています。生垣が茶色になってしまっては悲しい。お隣には大家さんが住んでいますが、反対側のお隣は空き家で、この炎天下でちょっと枯れかけている庭木も見える。生垣のついでに届く範囲の隣の木にも水をやっています。「木は自分で歩いて水を飲みに行けない」という最近どこかで聞いた言葉が脳裏に浮かびます。
打ち水をすると1.5度くらい体感温度が下がるそうです。猫のさびは人間より2度くらい体感温度が低いらしいので3.5度下がるということか…結構大きい。屋根に水をまくことを「屋根散水」というそうです。うちは平屋なのでホースにつけたノズルで充分屋根に水が届きますが二階建てだと難しいのかな。でもこちらも2〜4度体感温度がさがるらしい。実際、夕方屋根に水をまいた後などはエアコンの効きが良くなる気がします。
「水まきで風が立つ」というコメントをいただいていましたが、打ち水を行った場所は水蒸気で一時的に気圧が上がり、打ち水を行っていない場所のはそのままなので、空気が気圧の高い方から低い方に向かって流れていくために自然なそよ風が発生するのだとか。勉強になりました。夏休みの自由研究を思い出します。
ちなみに大家さんちには自動散水機があって、私が水まきするのと同じくらいの時間に噴水のような水飛沫がくるくる回っているのが生垣ごしに見えます。家の中から見てると涼しげでいいだろうな。大家さんは80代なのでこの暑さは危険。私も高齢者になったらあれにしよう。まだまだ残暑が厳しいようなので当分水まき習慣も続きそう。どうか皆様もご自愛ください。
ご存知ですか?夏の風物詩「打ち水」のコツ(環境省):
https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/action/20230809.html
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。