2040年に「介護職員57万人不足」の推計 介護職員の処遇改善目指す、厚労省第9期介護保険事業計画
厚生労働省は7月、第9期介護保険事業計画を発表し、2040年には約57万人の介護職員が不足するという推計を示した。これは、団塊ジュニア世代が65歳を迎えることで、介護需要が急増するためである。
必要な対策と課題
介護職員不足を解消するため、年3万人の人材確保が求められているが、現状では難しい。厚労省は以下の対策を掲げている。
1. 処遇改善:介護職員の給与引き上げと労働環境の整備。
2. 多様な人材の確保・育成:介護職修学資金貸付などの整備、中高齢者等の介護未経験者に対する研修の実施や体験支援、キャリアアップのための研修受講負担軽減策、福祉系高校に通う学生への修学資金の貸付など。
3. 離職防止・定着促進:職場環境の改善とキャリアパスの整備。
4. 介護職の魅力向上:学生やその保護者・指導者に向けた介護の仕事の理解促進のため、イベントやSNS発信を用いた周知。
5.外国人材の受け入れ環境整備:介護福祉士を目指す留学生への学習支援や資金の貸付等、海外向けオンラインセミナーや特定技能「介護技能評価試験」等の実施、働きやすい職場環境の構築支援等。
厚労省は、これらの総合的な介護人材確保対策を進めることで、介護職員不足問題に対処し、持続可能な介護サービスの提供を目指すとしている。自治体ごとの実情に合わせた対策と合わせて、人員不足の実情に対策を講じていくことが必要になっていくだろう。
構成・文/介護ポストセブン編集部