<介護のお悩み共有会>(アサヒグループ食品主催)に潜入「話してホッとできる場の必要性」と「口から食べることの重要性」を実感
2024年7月24日、アサヒグループ食品によるイベント「試して、話して、ホッとしよう! 介護のお悩み共有会」が東京・浅草の本社ビルで開催された。介護中の女性10名が集い、介護にまつわる熱いトークが繰り広げられた。その様子をレポートします。
アサヒグループ食品のトークイベント「介護の息抜きに」
「介護のお悩みはみなさんそれぞれ違うと思うのですが、少しでも共感していただけたら。おしゃべりしてホッとしてもらえたら嬉しいです」
こう話すのは、司会を務めたアサヒグループ食品・シニアチームの後藤桜さん。
会場に集まったのは、親御さんの介護をしている10名の女性。2つのグループ分かれて、同社の商品を試した感想や、各自が抱える介護にまつわるトークが白熱していた。
会場では、レトルトパウチの介護食『バランス献立』ブランドの試食ほか、とろみ調整用食品『とろみエール』では、炭酸飲料にとろみづけの実演を実施。
食後には口腔ケア商品『オーラルプラス』ブランドもお試し。イベント後半では、それぞれが抱えている介護にまつわるフリートークで盛り上がっていた。
レトルト介護食は初体験の人も「親に食べてもらいたい」
会場で振舞われた介護食は、『バランス献立』ブランドから、『鶏とごぼうが入った五目煮』『鯛雑炊』『なめらかかぼちゃ』『スプーンで食べるおもち』の4品。
介護食には、日本介護食品協議会が定める「ユニバーサルデザインフード」自主規格で4つの区分「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」があり、パッケージにマークが表示されている。
「介護食は何度か買ったことがあるんですが、かむ力や飲み込む力の目安として『区分』をあまり意識していませんでした。今後介護状態が進行していくことを考えると、どんな状態になったらどういう食べ物(やわらかさ)を選んで、とろみをつけなくちゃいけないのか、知っておくことが大切だと思いました」(参加者、以下「」同)
会場では、この日初めてレトルト介護食を試したという女性も多く、自身の介護経験と照らし合わせながら、熱心に感想を述べていた。
「食べてみてわかりましたが、ベビーフードと違って味付けがしっかりして、旨みを感じますよね。雑炊とかだしがしっかり効いていて、これは自分で一から作るのは大変ですよね」
「母を在宅介護していますが、毎日朝から3食ご飯を作っても、『いらない~』って言われてガックリすることも。こういった市販のものを時々頼ればいいですよね。
せっかく作っても廃棄しなきゃならないこともあるので、フードロスも減るかもしれない。自分がつぶれないように、便利なものを使うのがいいと思いました」
「母親の介護で、たんぱく質を摂ってもらうのに苦労しています。薄いぺらぺらのお肉や、鮭やタラは骨を外してほぐしてつぶして…。私は、介護食作り、結構がんばっている方だと思うんですが、仕事もしているから毎日ヘトヘト。こんなにおいしいなら、お肉やお魚のおかずとか、便利なものは活用したいと思いました」
親に食べてもらいたい「こんなの欲しい!」の声も
「父が倒れて要介護になってからは、外食や季節の行事の食事を楽しめなくなってしまったのが残念なので。おかゆや雑炊もおいしかったですが、お赤飯があると嬉しいかも。もちっとした感じ、父が好きだったから」
「80代母が足の手術で入院したら急激に容態が悪化し、アルツハイマー型認知症を発症して。毎日泣いて過ごしていたんですが、少しずつ流動食から通常食を少しずつ食べられるようになったとき、お正月にこのレトルトのおもちを食べてもらったんですよ。おいしそうに食べてくれて、嬉しかったですね。お汁粉もあったら喜んでくれそう」
とろみ炭酸飲料「のど越しすっきり、これありかも」
介護中の悩みとして多く聞かれたのが、水分補給について。みなさん困っているようで…。
「便秘がちなので水分補給はこまめにしてもらうように気を付けています。曲がるストローで少しずつ飲んでもらっていますが、やっぱり誤嚥は心配ですよね」
「トイレのことも心配なのかもしれないけど水分を積極的に摂ってもらうのに苦労しますね。ベッドサイトに飲み物を常備してこまめに飲んでもらうようにしているんですが、とろみ調整用食品はまだ使ったことがなくて。
炭酸にとろみをつけたもの、これはおいしい。これなら母がたくさん飲んでくれそうな気がします。でも血糖値が気になるから、いつもはお茶で。時々のご褒美がいいのかも」
「95才の父は余命1か月といわれてから早4年、訪問介護のチームのみなさんと協力して、点滴から流動食に変わって、いまは少しずつ固形のものも食べられるようになりました。
食べ物の力ってすごいですよ。父は誤嚥性肺炎を繰り返してきたから、口腔ケアやとろみのつけ方は今後しっかり学びたいですね」
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この日初めて会ったにもかかわらず、「介護」という共通のテーマに、「そうだよね」「わかる~」と共感し合い、皆さんあっという間に打ち解けていて驚いた。
会場でお話を聞きながら「口から食べる」ことの重要性や、「おいしいものを食べて欲しい」という親御さんを想う愛情がたくさん伝わってきた。介護の悩みや想いを打ち明ける“場”の重要性も実感したイベントだった。
■アサヒグループ食品/介護食・口腔ケア
https://www.asahi-gf.co.jp/special/senior/
構成/介護ポストセブン編集部