認知症行方不明者が過去最多に 対策にはGPSが効果的
7月4日の警視庁のまとめによると、昨年1年間に全国の警察に届け出があった認知症の行方不明者は、前年比330人増の1万9039人に達し、過去最多を更新した。この統計は2012年から取り始められ、11年連続で増加傾向が続いている。
認知症による行方不明者数は年々増加
警察庁によると、男性が1万597人、女性が8442人と、男性の方がやや多い結果となった。この傾向は例年続いており、概ね男性が54~56%、女性が44~46%程度で推移している。
※警視庁「令和5年中における行方不明者の状況」より。
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R05yukuefumeisha.pdf
令和元年…男性 9,503(54.4%)|女性 7,976(45.6%)
令和2年…男性 9,749(55.5%)|女性 7,816(44.5%)
令和3年…男性 9,631(54.6%)|女性 8,005(45.4%)
令和4年…男性 10,314(55.1%)|女性 8,395(44.9%)
令和5年…男性 10,597(55.7%)|女性 8,442(44.3%)
GPSの活用も検討を
都道府県別では、兵庫県が2094人で最も多いという。続いて、大阪府が2016人、埼玉県が1912人が多かった。
昨年中に所在が確認された認知症の行方不明者は1万8221人で、その約74.1%にあたる1万3517人は行方不明届が受理された当日に発見されている。
1週間以内に発見された人まで含めると99%に昇るが、6か月以上経って発見される人も8人いた。
また、553人は死亡していることが確認された。
認知症患者が行方不明になってしまうケースは今後も増えることが予想される。早期発見には自治体から貸与や民間のサービスで利用できるGPSが有効だ。靴にGPSをつけられるサービスも増えているので、不安がある高齢者がいる家庭は積極的に検討したい。
構成・文/介護ポストセブン編集部
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