梅雨時はご用心!玄関のニオイ対策「靴、傘、段ボール箱がカビや悪臭の発生源に」家事アドバイザーが解説
長年履いていない革靴や使い古した傘、置きっぱなしの段ボール箱――。もしかするとニオイや菌の発生源になっている可能性も。家の顔でもある玄関は、梅雨期はとくにニオイに要注意。節約&家事アドバイザーの矢野きくのさんに、100円グッズなどを使った玄関のニオイ対策について教えてもらった。
この記事を執筆した専門家
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
玄関から感じるその家特有のニオイ
知人の家に行って玄関に入った瞬間、その家のニオイを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。不思議なことに自分の家のニオイは気にならないものなので、もしかすると他の人からするとなにかニオイを感じているかもしれません。
とくに高齢者の住まいは、その家特有のニオイがする可能性もあります。さらにそのニオイは、梅雨から夏にかけて強くなる可能性が高いのです。
そこで、誰が訪ねてきても安心して迎えられるように、「玄関のニオイ対策」についてご紹介します。
玄関がニオイがちな理由は?
シニア世代が暮らす家の玄関が臭う要因として、靴箱の中に長年履いていない靴が存在していることが考えられます。
長年靴箱に入れっぱなしで何年も経過している靴には、カビが発生し、そのカビが他の靴にも移って繁殖している場合があります。それが靴箱の独特のニオイとなってしまっていることが多いのです。
カビが発生している靴は、まず、「本当にまだ必要なのか」を確認し、今後も履く機会がなさそうであれば処分しましょう。まだ所有しておきたいという希望があれば、まずはカビを全て取り除く必要があります。
靴のカビを取る場合は、靴専用のカビ取りクリームを使うようにしましょう。水拭きでは見た目にカビが取れているだけで靴の奥には根が潜んでいます。またアルコールで拭き取るのは靴を傷めてしまうので避けましょう。
カビが生えている靴以外でも、何年も履いていないものは手放すことを検討してください。
靴箱の掃除方法
靴の取捨選択をする際に、靴箱から靴をいったんすべて外に出します。
次に、市販のカビ取りシートか、消毒用エタノールを含ませた布で、棚全体を拭きます。市販のカビ取りシートは100円ショップでも購入可能です。靴箱の棚の拭き掃除が終わったら完全に乾燥するまで半日程度は開け放しておきましょう。
その後、棚に新聞紙やカビ防止シートを敷いてから靴を戻すようにします。
靴箱に除湿剤と消臭剤をセットする
靴箱には、除湿剤と消臭剤を入れておきましょう。消臭剤は、ビーズタイプの消臭剤の詰替え用の大袋を買うと経済的です。
容器は100円ショップで買えるフタ付きのカップがおすすめ。フタに穴を数か所開けて消臭ビーズを入れておけば、消臭ビーズがこぼれることなく靴箱に入れておくことができます。靴箱の棚の数か所に入れておくと良いでしょう。
傘がニオイの原因のことも
実は傘がニオっているご家庭もあります。濡れた傘をそのまま畳んで玄関に収納しておけば当然ニオイを放つようになります。ニオイが気になる傘は、洗濯用の洗剤を水で薄めたもので一度洗い、しっかり乾かすようにします。乾いたあとに防水スプレーをふりかけておくと良いでしょう。
玄関にありがちな段ボール箱は処分する
高齢のかたの住まいを訪問すると、玄関まわりに段ボール箱を置いてあることがよくあります。潰した段ボールをいつか捨てようと溜めてある場合や、中になにかが入っている場合もあるでしょう。必要なものであれば仕方がないのですが、実は段ボールがニオイや害虫のもとになることもあるのです。
湿気を含みやすい段ボールは、そこからニオイを発したり、カビが発生することもあります。また段ボール箱は、ゴキブリが好む場所のひとつとしても挙げられます。
災害時に逃げるときの安全確保のためにも、玄関に置かれている段ボール箱は処分したほうが良いでしょう。
人に「この家、クサイ!」と思われないためにも、梅雨から夏にかけてはとくに家の入口である玄関のニオイに気を使うようにしてはいかがでしょうか。
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