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老眼鏡がオシャレなファッションアイテムに進化!おばあちゃんの原宿<巣鴨>の新スポット探訪

 小さな文字がぼんやりして読みにくくなってきたR40記者。しかし老眼鏡は「まだちょっと…」とためらいが。そんな中、東京・巣鴨に老眼鏡を新たなファッションアイテムとして扱う話題の店があるという。老眼鏡と巣鴨って、どちらもお年寄りのイメージが強いのだが、早速巣鴨へ向かってみた!

おばあちゃんの原宿・巣鴨に新トレンド誕生?

 スマホの画面を少しずつ少しずつ遠ざけて「まだ私は老眼ではないはず…」と自分を騙す日々を送っている記者(44才)。そんなある日、編集部から「もしかして老眼?」というメッセージが届いた。

 ドキッ!としながら詳細を読んでみると、「巣鴨に期間限定でオシャレな老眼鏡が買えるらしいから行ってみない?」とのこと。

 巣鴨って「おばあちゃんの原宿」で知られている、年配の人たちに人気のあの巣鴨?

 そして老眼鏡と言えば、100円ショップの片隅で見かけるなんだか地味なイメージなのだが、オシャレって一体どういうこと? 半信半疑で巣鴨に向かった。

ここは本当に巣鴨?オシャレで優雅な空間が

 東京・巣鴨「巣鴨地蔵通商店街」入口のアーチを潜り抜け、赤いパンツやもんぺが並ぶ個性豊かな数々の店を通り過ぎて歩くこと約5分。商店街から繋がる細い路地に「えがお老眼鏡」を発見!

 セレクトショップ「えがお洋品店」がプロデュースする期間限定の老眼鏡専門店だ。

 扉を開いて中に入ると、温かみのある照明に照らされたグリーンの壁際にスタイリッシュな洋服が並び、テーブルには色とりどりの老眼鏡がズラリ。

「うわっ、オシャレ~」

 優雅でエレガントな雰囲気漂うスタッフに迎えられ、本当にここがおばあちゃんの原宿? 実際の原宿にあっても不思議ではない空間で、パラレルワールドに迷い込んだ気分の記者。

「えがお洋品店」広報の土岐まりさんによると、

「えがお洋品店には、60代~70代のお客さまが多くいらっしゃいます。

 ご予約頂いたかたには、メイクとネイルケアのタッチアップサービスを無料でさせていただいています。お客さまの中には、系列店の『えがお美容室』で髪を切ったあとに立ち寄ってくださるかたもいらっしゃいます。

 ゆったりと過ごしていただきながら、スタイリストと一緒に洋服を選ぶ時間を楽しまれているかたも多いですよ」

 普段は予約制なのですが、身近なアイテムの老眼鏡をファッションアイテムとしてたくさんのかたにオシャレを楽しんで頂きたく、期間限定でどなたでもお越し頂けるようにしました」(土岐さん)

 長年ファッション業界で働いてきたスタイリストの下地まゆこさんは、「シニア世代にもっと笑顔で輝いていてほしい」という想いから、老眼鏡のポップアップストアを企画。

「洋服を選ぶように、老眼鏡も色や柄でもっと遊んでもらってもいいと思って。アクセサリーのひとつのような感覚で、洋服とコーディネートしていただけたらと思います」(下地さん)

巣鴨で写真館、美容室に続き、洋品店をオープン

 50代以上の顧客が予約制で通う「えがお洋品店」。そのルーツは、2014年に東京・巣鴨の地蔵通り商店街に開業した写真館「えがお写真館」にある。

 写真館の客層は、70代~90代が多く、お客さまから「髪も切りたい」というリクエストがあり、続いて美容室もオープン。

「写真館のお客さまから『オシャレな美容室に行きたいけど、隣に若い子がいると気が引けてしまって…』という声が多くありました。

 シニア世代のかたが落ち着いて髪を切ることができる空間や接客、グレイヘアや白髪ケアなどをご提案していく中で、美容感度が高いシニア世代に口コミで広まっていきました。

 以前は銀座や表参道で髪を切っていたけど、ここは居心地がいいと通ってくださっているかたも多いんですよ。

 せっかく髪をキレイにしたんだから、オシャレもしたいというご要望が多く、美容室でヘアをセットした帰りに寄っていただける場所を作ろうと、セレクトショップ『えがお洋品店』をオープンしました」

 お客さんにスタイリストが寄り添って、ゆったりと洋服を選ぶことができるのは、なんとも贅沢で豊かな時間。百貨店の外商で買い物するようなセレブになった気分だ。

老眼鏡を選ぶのにこんなにワクワクするなんて!

 この素敵な空間で、早速記者も人生初の老眼鏡選びをスタート。まずは度数をチェック。

「まだ老眼じゃないかも」とかすかに期待していた記者だが、老眼度数チェッカーを使って文字を見てみると、驚くほどはっきり文字が読めた。

 老眼鏡は2980円、3980円、4980円の3種類から選ぶことができる。そして、すべてのメガネにグラスコードが無料でついている。

「えーー!どうしよう、迷っちゃいますね」と嬉しい悲鳴を上げる記者に、「普段の洋服の色や好みはどんな感じですか?」と、優しく声を掛けてくれる下地さん。

「こちらも似合いそうですよ」と自分では選ばないようなデザインを提案してくれたり、グラスコードのコーディネートをあれこれ試したり、テンション上がりっぱなしの記者。

「ときどきしかかけない老眼鏡だからこそ、個性的なデザインや色も遊び心で選ばれるかたも多いですよ」という下地さんに背中を押され、記者が選んだのは、太めの丸いフレームの老眼鏡。

 購入した老眼鏡は、オリジナルパッケージで包装してくれる。これが風船みたいでめちゃくちゃ可愛い! この袋を持って地蔵通商店街を2往復くらいしたい気分に。

「年を重ねて『あれもこれも似合わなくなった』とマイナスしてしまうのではなく、若いころにはできなかったおしゃれを老眼鏡でプラスワンしていただきたいと思っています。

 今回は老眼鏡でしたが、補聴器などシニアだからこそ身に着けるものをデザインで選ぶのは楽しいと思います。シニア世代だからこそ選べるアイテムで、オシャレを楽しんでほしいですね」(下地さん)

***

 老眼鏡選びでこんなにも心が弾むなんて、正直驚いた。老眼鏡は”プラスワンするファッションアイテム”。老眼鏡に対するイメージが一新した体験だった。

【データ】

「えがお洋品店」がプロデュースする
期間限定の老眼鏡専門店「えがお老眼鏡」

開催期間:5月19日(日)まで

問い合わせ:03-5980-9850(えがお洋品店共有)

住所:東京都豊島区巣鴨4-22-26 光マンション1階(えがお洋品店内)

営業時間:10:00~18:00

https://egao- https://egao-salon.jp/shop/clothing/

取材・文/氏家裕子

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