延びる平均寿命。でも、健康寿命は? 実感アンケートを紹介
2016年7月27日(水)に厚生労働省が発表した「平成27年簡易生命表」によると、2015 年の日本人の平均寿命は男性 80.79 歳、女性 87.05 歳といずれも過去最高を更新。女性が4年連続世界一であることからも、日本が世界有数の長寿国であることが理解できる。
しかしながら、「健康寿命」は男性71.19歳、女性 74.21 歳(*註1)と、平均寿命との10年近くの乖離が見られる。
そこで、マーケティングの実務家による国際組織、MCEI(Marketing Communications Executives International)の東京支部は、東京・大阪支部の会員を対象に「健康・長寿」に実施したアンケートをチェックしてみた。
それによると、男性の68%が平均寿命かそれ以上を望んでいるという。しかしながら、身体に悪いと思いつつやっていることと改善したいと思っていることを答える問いの結果をみると、半数近くの人が改善項目をあげていなかったという。
改善をしているという場合でも、「時々している」が44%、「あまりしていない」が36%で、ほとんどの人があまり生活改善に前向きではない様子が伺える。
さらに、「実際に健康維持のために支出している項目」を聞いたところ、「スポーツ」が最も多く59%、次いで「サプリメント」が39%、「マッサージなどのリラクゼーション」が31%なっていた。
ただし、自覚体型を「太り気味」と答えた人は健康食品や人間ドッグ・検診への支出が平均より多いのに対して、その64%が「スポーツをしていない」と解答。生活改善に取り組めない理由は、「面倒だから」が平均よりも19%も多い64%となっていた。
ちなみに、女性は「平均寿命より長生きしたい」と答えたのは16%、「平均寿命くらいがいい」と答えたのが33%で、その合計が男性は68%であるのに対して49%と20%近く下回った。介護に携わることが男性よりも多い女性のほうが「介護する・介護される」の両面から長生きを捉えて、自身の将来を思い描いているのではないか、と調査は結論づけている。
【データ】
出典:第14回MEI実務家気まぐれアンケート「健康・長寿に関する 実務家『実感』アンケート」より(MEI東京支部コミュニケーション委員会)
調査対象/189人(男性141人、女性54人、不明3人 20〜60代以上)
調査期間/2016/01/26(火)〜03/31(木)
https://ssl.mceitokyo.org/PDF/MCEIquestionaire_Vol.14.pdf
*註1 厚生労働省「平成22年及び25年の都道府県別健康寿命」