50才から美容系YouTuberに転身!SHOKOさん「母の介護で人生が激変、夢はシェアオフィス型老人ホームを作ること」
「美容の力で高齢社会に笑顔を増やしたい」と50才からYouTuberとして活動を始めたメイクアッププロデューサーのSHOKOさん。YouTubeを始めるきっかけは「母親の介護」だったという。登録者数40万人の人気チャンネルに成長させた道のりや成功の秘訣を聞きました。
教えてくれた人
ヘアメイクアッププロデューサー・SHOKOさん
へメイクとして35年のキャリアをもつ。一般社団法人 美意識コンシェルジュ協会。2019年からYou Tubeチャンネル『SHOKO美チャンネル』
(https://www.youtube.com/@shokobeautych)を開設、登録数は40万人超。テレビ番組『推させて!SHOKOさん』(テレビ埼玉)、著書『1秒で惹きつける人になる 読むだけで「最高の自分!」大人の美容BOOK』(KADOKAWA)など活躍の場を広げている。
50才からYouTuberへ「きっかけは母の介護」
「将来、生涯現役で働けるシェアオフィス型老人ホームを作りたい」
50才から挑戦したYouTubeが注目を集めているメイクアッププロデューサーのSHOKOさんは、そんな夢を抱いている。
女性セブンをはじめ雑誌や広告などでヘアメイクの仕事を続け、35年のキャリアを持つ彼女だが、「母の介護がきかっけで、人生が激変した」と語る。
「父親が亡くなった後、専業主婦だった母が鬱になってしまったんです。実家の富山から母を東京に呼び寄せ、同居を始めました。私がちょうど50才のときでした。
母は毎日『死にたい』という言葉を繰り返して、私自身もコロナ禍で仕事が減っていたことや更年期ということもあって、どんどん自分の価値がなっていくように感じていました。
母は仕事を頑張っている娘に迷惑をかけたくない、死んだ方がいいと毎日言い続けていて、当時はきつかったですね」
そんな母のサポートをしながら仕事を続ける手段としてYouTubeを選んだという。
登録者10万人を目指して毎日発信
「動画発信はまったくの素人ですから、最初は苦戦しました。登録者10万人になるまでは毎日発信すると決めて、毎日試行錯誤の連続でした。
大人の肌に合うアイテムやメソッドを研究、リサーチして、撮影しては改善して…の繰り返し。かなり大変な作業です(笑い)」
『SHOKO美チャンネル』はコロナ渦の2019年6月にスタート。シニア世代の女性をターゲットに、美容の基礎やメイク方法などを発信し続けた。そして2020年8月には、目標としていた10万人を突破。じわじわと登録者数が増え、現在は40万人を誇る人気チャンネルに成長した。
動画は「歳を重ねた美顔は武器になる」という定番のフレーズから始まる。
SHOKOさんはたいていすっぴんで登場し、自らの手と顔を使ってスキンケアやメイクを仕上げるプロセスを優しい口調で解説。しわやくすみがカバーされ、見る見る血色が良くなって、若々しくなっていく経過は、見ているこちらも心地よくなんだかすっきりするから不思議だ。
1000本近く発信してきた動画は、これまで女優やモデルのヘアメイクで培ってきたマッサージをはじめ、更年期で揺らぎやすい肌に合うスキンケア方法、老け顔を若々しく見せるメイクテクニックなど、シニア世代の悩みに寄り添うテーマを中心に、100万回再生を超える人気動画も数多くある。
「YouTubeを始めてみると、少しずつ動画を見た人から『元気になった』という声をいただけるようになりました。
それと同時に、多くの女性が悩みや不安を抱えていることもわかってきました。自分の人生を諦めかけている女性がたくさんいるということに気がついたんです。
本来なら歳を重ねることで、知恵も知識も積み重って魅力は増すものだと思うんです。だけど、介護や子育てが大変で、更年期もあって気持ちが不安定になったり、だんだん年を取って老けていく自分に自信をもてなくなっていたり…。そんな人たちに、美容の力でもう一度、元気と笑顔を取り戻してほしい、そういう気持ちでやっています」
母にも少しずつ笑顔が増えて…
「YouTuberとして自ら体当たりで発信するようになったことで、私自身、元気が出てきました。やっぱり美容の力って大きいと実感したんです。毎日死にたいしか言わなくなった母と向き合うのが辛かった日々が救われていきました。
母も私が毎日楽しそうにYouTubeの撮影やオンライン講座をしている姿を見ていたせいなのか、少しずつ笑顔が戻ってきたんです。
しばらく鬱状態で臥せっていた母ですが、今は要支援2。酵素玄米など食事療法も取り入れながらサポートを続けていて、だいぶ動けるようになってきました」
「キレイになりたい」その想いを共有できる場を
「女性はいくつになっても、キレイになりたいと願っています。50代以降、子育てが終わって自分の時間が少しずつできてきたとき、老いゆく自分に嘆くのではなく、人生経験豊富になったいまだからこそ活躍するチャンスがあるということを伝え続けたい。
そのために今私ができるのは、悩んでいる人を孤独にしないこと。悩みを打ち明ける場、キレイになりたい、元気になりたいという同じ目的をもつ仲間やコミュニティーの必要性を感じています。今はそういう人たちが集える場づくりに奔走しています」
SHOKOさんは現在、YouTubeの枠を超え、2023年2月には、女優の石野真子さんや奥菜恵さんをゲストに招いた大規模なイベント『全方位美人Beauty Festival 2024』を開催し、話題を集めた。
「同じ志を持った仲間たちと、いろんな角度からキレイと元気になれるメソッドを発信していけたらいいと思って講演会やイベントも企画しています。
人生100年時代、美容のパワーでシニア世代の人たちの笑顔を増やしていく。この活動を続けることで、高齢化社会を明るくしたいんです。
私の目標である“生涯現役で働けるシェアオフィス型老人ホーム”は、キレイな入居者さんたちが、それぞれ役割を持ちながら、働いて社会ともつながり続けている。そんな老人ホームがあったら、入居したいと思いませんか」
構成/介護ポストセブン編集部