血圧を下げる食事はどっち?12番勝負「昼のコーヒーVS夜のワイン」「ぶり照り焼き定食VSカレーライス」【専門家監修】
血圧の数値を見ながら一喜一憂し、食事や食材に気を使って“いったい何が本当に効果があるの?”と思っている人に朗報です。この最強食習慣を身につければ、もう迷うことはありません。あなたの血圧を下げる正しい答えを一挙公開します。
教えてくれた人
徳田安春さん/群星(むりぶし)沖縄臨床研修センター 総合診療医、渡辺尚彦さん/日本歯科大学内科客員教授、上昌広さん/内科医、医療ガバナンス研究所理事長
血圧を下げる食事や食習慣はどっち?
日本における高血圧患者の数は推定4300万人。実に3人に1人が該当する“国民病”だ。しかも、放っておけば命にかかわる事態を引き起こす。群星(むりぶし)沖縄臨床研修センター総合診療医の徳田安春さんが指摘する。
「高血圧の状態が続くことで血管に大きな負担がかかります。その結果傷んで破れたり、詰まりやすくなることで、脳出血や脳梗塞などのリスクが高まる。血液を送り出す心臓にも負荷がかかるので、心不全も起こりやすくなります」
重篤な状態になることを避けるために降圧剤をのむ人も少なくないが、リスクも伴うと指摘するのは『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳』著者で、日本歯科大学内科客員教授の渡辺尚彦さん。
「高血圧と診断されると降圧剤で血圧を下げるのが一般的ですが、めまいやふらつきなど副作用が懸念されます。しかも、一度処方されると手放せなくなり、ずっとのみ続けることになります」
だからこそ薬に頼らず食生活や運動、生活習慣を改善し、血圧を下げたいところ。実際に降圧効果のある食べ物からストレッチ、入浴法までさまざまな情報がテレビでも雑誌でも飛び交っている。しかしあまりにも膨大な情報を前に、すべてを実践するのは難しい。類似した内容も多く、何を優先すべきか迷う人も多いだろう。より効果的な方法はどっちか―血圧を下げる最強の方法を専門家に聞いた。
摂取カロリー制限VS塩分制限
肥満の人はそうでない人に比べて、高血圧になるリスクが高いといわれている。一方、塩分量も血圧を上げる大きなリスクファクターであることは間違いない。どちらの摂取量を制限すべきか。
「体重をコントロールする効果という意味ではカロリー制限にも効果があります。しかし、直接的に血圧を下げる効果があるのは塩分制限。まずは食べる量はそのままに、味つけや食材を工夫して塩の量を減らしてみてほしい」
WIN:塩分制限
「肥満も高血圧のひとつの要素だが、塩分過多の方がより血圧を上げるリスクファクターとなる。カロリーよりも塩分制限を優先して」(徳田さん)
「ジェノベーゼパスタVS温そば」
野菜や豆類を中心に摂取する地中海式ダイエットも近年、高血圧の予防・改善効果が期待されると注目が集まっている。生のバジルには血圧の上昇を抑えるカリウムが豊富に含まれており血圧対策にぴったり。一方、そばに含まれるルチンにも血圧を下げる効果がある。ランチに麺を食べるならどっちがいいのだろう。
「ジェノベーゼパスタにオリーブオイルを加えるのが最適解です。オリーブオイルには血圧を下げる働きがあることが、数多くの研究で報告されています。そばも悪くないけれど、つゆの塩分が気がかりです」(徳田さん)
WIN:ジェノベーゼパスタ
「そばのつゆは塩分が多い一方で、ジュノベーゼパスタに使われるオリーブオイルには血圧を下げる働きがある」(徳田さん)
から揚げにレモンをしぼるVSあじフライに小鉢で酢の物をつける
「レモンとお酢は血圧を下げる効果が期待できる。そうなると塩分量の影響が大きくなるため、塩分の多いから揚げは避けた方がいい」(渡辺さん)
WIN:あじフライに小鉢で酢の物をつける
朝のバナナVS夜のヨーグルト
「バナナのカリウムの降圧効果に一票。塩分の排出効果が期待できる。減塩は朝がいちばん効果が高いので、特に朝バナナはおすすめ」(渡辺さん)
WIN:朝のバナナ
わかめスープVSきのこ汁
「両者ともに含まれるカリウムには塩分の排出作用があるが、塩気の少ないきのこ汁の方がよりおすすめ」(上さん)
WIN:きのこ汁
朝のあじ定食VS夜のさば缶
「青魚に含まれるDHAやEPAは高血圧の予防に効果的で、塩分排出効果あり。朝に食べた方が脂肪になりにくいうえ、塩分も排出しやすい」(上さん)
WIN:朝のあじ定食