使わないと大損する!介護の給付金&補助金を社労士が解説「介護で仕事を休んでも上限33万円給付」
2023年10月には酒類や調味料など3716品の値上げが予定されている。値上げラッシュに加え、人生100年時代で高齢になった家族が要介護者となり突然負担が増えることもある。しかし、制度を賢く使えば生活に困窮することなく困難を乗り切ることが可能だ。社会保険労務士が厳選した知っておきたい介護分野の給付金・補助金を紹介する。
知らないと損!申請すればもらえる給付金や補助金とは
「『介護休業給付』がなかったら、共倒れの可能性も充分にあったと思います」
そう話すのは、昨年の夏に脳卒中で倒れた夫を自宅で介護した、都内在住の佐藤百合子さん(57才・仮名)。
「後遺症でまひの症状が出たから、半年間はつきっきりで介護する必要があって、仕事を休まざるを得なかった。うちは共働きで生活が成り立っていたし、家のローンもまだ残っているから6か月分の私の収入がなくなったら、家計は火の車です。
どうしよう…と頭を抱えていたときに、介護を経験した同僚が“休職したらとりあえず、介護休業給付だけはもらった方がいい”とアドバイスしてくれて。そのおかげで、月に25万円が受け取れて、余裕を持って介護ができた。夫も次第に回復してきて、私も仕事に戻ることができました。本当に助かったし、もしこの制度を知らなかったらどうなっていたんだろうと思うと恐ろしいです」
物価の上昇が止まらない世の中でも家事や育児、仕事や介護は待ってくれない。そんな中で頼りになるのが、国や自治体に申請すれば受け取れる給付金や補助金だ。
社会保険労務士の岡佳伸さんがこう語る。
「申請したらもらえる給付金・補助金の中には、出産や子育てに伴うものから夫に先立たれた後の生活を保障するものまで、女性が知っておくと有利で安心なものが多くあります。年齢や所得など要件はさまざまですが、もらえるものは賢くもらって生活の足しにしてほしいです」
不況と値上げラッシュに立ち向かうため、まずは制度を知ることから始めてほしい。
「介護休業給付」は親や配偶者以外が対象でも申請できる
給付金や補助金そのものの存在を押さえたら、次は自分が申請できる対象であるかどうかをチェックしよう。制度の中には門戸が広く開かれているものもあり、思わぬところで「対象」になっている可能性があるのだ。
例えば介護のため休業する際、給料の一部が補てんされる「介護休業給付」は親や配偶者の介護に利用すると思われがちだが、対象はそれに限らない。
「子供や孫など、2親等以内の家族が病気やけが(要介護状態)などで助けが必要になったときにも使えます。対象家族1人につき93日を上限として3回まで分割して使える使い勝手のよい制度です」(岡さん)
住まいの自治体に便利でお得な制度があるかもしれないので、ホームページなどをチェックしよう。申請窓口は市区町村やハローワーク、労働局、健康保険組合など多岐にわたるなか、困ったことや聞きたいことがあるとき、どこに駆け込むのがいいだろうか。
「どこに相談すればいいかわからない場合、市区町村などで行われる社会保険労務士会の無料相談会を利用するのが有効。電話相談なら他県からでも参加できるので、タイミングが合うときに電話することをすすめます」(岡さん)
申請するポイントは「厚かましくなること」
相談や申請を遠慮する必要はないと岡さんは続ける。
「恥ずかしがらず、何でも聞いてみることが大事です。せっかくの制度なのに使わないのはもったいない。国民を支援するための制度だから、もっと厚かましくなっていいんです」
また、どんなに高額でも、長期給付が約束されていたとしても、申請しなければ手に入れることはできない。
「待っていてもお金はもらえません。自分で動いて情報を集めて申し込むことが何よりも大切です」(丸山さん)
下記の一覧表を眺めて、もらえるものは全部もらおう!