薬や湿布を使わずに“痛み”を楽にする方法|頭痛はまず原因を探ること、頭痛以外の痛みにも効く「12方向の耳ツボマッサージ」【専門家監修】
その患者数は男性の約4倍ともいわれ、多くの女性を悩ませる頭痛。集中力がそがれ、家事や仕事がこなせなくなるほどつらい症状を長年抱える人もいるだろう。
はしぐち脳神経クリニック院長の橋口公章さんは、頭痛から解放されるために真っ先に取り組むべきは原因を探ることだと話す。
「大切なのは自分の頭痛が“何に由来するのか”を知ることです。天候や気圧の変化、強い日差し、月経周期、ストレス、寝不足や寝すぎ、空腹、強いにおいのほか、薬剤や喫煙、カフェイン摂取なども要因になりうる。引き起こす原因が判明すれば、もとを絶つことで頭痛の発生を軽減できます」
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原因を見抜くために有用なのが「【1】頭痛ダイアリー」だと橋口さんが続ける。
「痛みが生じた前後の天気や睡眠、食事、活動内容などをメモしておきましょう。本人は意識していなくても『人混みに行く』『激しい運動をした』など因果関係のある行動が浮かび上がることもあります。チーズやチョコレートなど特定の食品を食べると頭痛が起きる人もいますし、鎮痛剤ののみすぎで起きる『薬物性頭痛』に陥っていた人がダイアリーで気づくこともありました」
原因を突き止め、回避することと並行して行うべきは、【2】食生活の改善だ。
「玄米やみそ、海藻、大豆などに含まれるマグネシウムやレバー、卵や乳製品などに含まれるビタミンB2は片頭痛を起きにくくする働きがあります。食卓から頭痛予防に努めてほしい」(橋口さん)
照明による光の刺激でも頭痛は悪化する
万全の対策をしてなお、頭痛が生じたときのために、痛みを緩和する方法も覚えておきたい。佐藤さんが推奨するのは環境を変えること。
「【3】静かで薄暗い部屋に行って横になるだけでも効果があります。照明に伴う光の刺激は自律神経や痛みをコントロールする脳の視床下部を刺激して頭痛を悪化させる要因になる。騒音も同様で、自律神経が乱れ、頭痛が引き起こされる原因になります。脳を休めるためにも明かりを消し、静かな部屋で目を閉じて横になるのがいい」(佐藤さん)