雛形あきこさんが30年間苦しんだ「気象病」気温や気圧の変化による頭痛への3つの対処法
雨が降ると古傷が痛む、台風が近づくと頭痛が起こるなど、多くの人が悩まされている「気象病」。「立ち上がれない」「嘔吐する」「痛み止めが効かない」などのように、かつては重度の気象病に悩んできた“地獄”の日々から無事脱出した有名人も多い。なぜそれができたのか、貴重な体験談を雛形あきこさん(45)に聞きました。
雛形あきこさん気象や気圧の変化で頭痛に苦しんできた
「『頭が痛い、重い、気持ち悪い』という感覚は、物心ついた頃にはすでにあったように思います。私にとって当たり前だったので『みんなもそうなるよね?』くらいに思っていました。ただそれが気圧の変化と関係していると確信したのは、この仕事を始めてからですね。飛行機に乗ったときや台風が接近したときは頭痛が強くなって、ひどいと吐き気にも襲われました」
そう語る雛形の口調はとても穏やか。白いツヤ肌はほんのりと上気して、見るからにヘルシーだ。時折微笑みながら、頭痛で苦しんできた過去を話す姿は、ギャップすら感じた。
「薬をのんでも2時間後には効果が切れてまた痛くなるので、少し間を空けてまたのむという繰り返しで、頭痛外来に通っても薬の種類が変わるくらいであまり前進している実感はなし。頭痛はよくならないと半ばあきらめていたんです」(雛形・以下同)
意識が変わったのは、長女を妊娠したことだった。
「妊娠中はもちろん、授乳期間も薬を我慢しなければいけないじゃないですか。そのとき『こんなにしんどい頭痛と死ぬまでつきあうの?』ってゾッとして。初めて本気で自分の頭痛と向き合おうと思ったんです」
気圧や気温の変化を意識して頭痛に対処する3つの方法
決意してからは、頭痛持ちであることを公表し、テレビの健康番組にも出演するようになった。
「おかげで頭痛専門医の清水俊彦先生や天気痛ドクターの佐藤純先生に出会えました。そこでたくさんのアドバイスをいただき、『自分で自分の頭痛を知り、コントロールできる』ということを知れたのが大きかったですね。私の場合は、気圧でも気温でも『変化』するとき頭痛が強くなるということがわかったので、なるべくそうした変化を起こさないよう意識しています」
たとえば、運動をするときには事前に黒飴1個を舐めて“急激に血糖値を下げない”ようにしたり、お風呂は39~40℃のぬるめのお湯に全身浴で5~10分程度つかって“温まりすぎない”ようにしたり。運動ができないときは“血の巡りを止めない”よう、耳のマッサージを。全身の巡りをよくしつつも、巡らせすぎない工夫をしている。
「自律神経を整えることも大切と聞いたので、朝は日光を浴び、夜は真っ暗にして寝ています。特に撮影で強力なライトを浴びた日は神経がたかぶっているので、アイマスクをして夜を認識させることが大事。ぐっすり眠れるようになったら、それだけで疲れを感じにくくなりました。
もちろん完治とまではいきませんが、頭痛薬をのむ機会は確実に減っていますし、全体的に体調がよくなりました。体温も若い頃は35.6℃だったのが36.6℃に上がっていました」
そんな徹底した“頭痛対策”を行う彼女を、一緒に暮らす家族はどう見ているのだろうか? 巷では気象病の理解が得られないことも問題視されているが…。
「わが家は主人(天野浩成・45才)も頭痛持ちなので、家族の理解はある方だと思います。私とは症状が違うので私がいないときは夜シャワーで済ませることもあるようですが(笑い)、お風呂にしても就寝環境にしても、頭痛と関係なく、体にいいことだと思うんですよね。私の場合は誰かに理解してもらうこと以上に、少しでも頭痛を治すことに必死でした」
かくして頭痛を改善させた雛形から、気象病で悩む読者へアドバイスを求めると──
「たとえばここで『気象病対策にこれがいいよ』と言われても、全部を真似するのは難しいと思います。私も食べることが好きなので、食事制限はしていませんし(笑い)。だけどもし、いまの気象病で苦しいという現状を変えたいなら、できそうなことを1つだけでも取り入れてみるといいのではないでしょうか。いい方向に変わったら続けてみる。その積み重ねこそ、体質を変えていけるんじゃないかなと思います」
教えてくれた人
■雛形あきこ/7月29日から、日生劇場開場60周年記念 音楽劇『精霊の守り人』に出演。
取材・文/辻本幸路 イラスト/坂木浩子
※女性セブン2023年6月1日号
https://josei7.com/
●的場浩司さん「激しい頭痛やめまい、10年続いた苦痛は”気象病”」克服のマイルールを明かす