栄養を丸ごと摂る!【野菜レシピ】旬もののビタミン、ミネラルetc.をロスなく食べる!
栄養分が最も高い状態にあるのが“旬”の野菜。でも食べ方次第では、栄養を失っているかも…。「切り方や加熱方法によって体内に吸収される量が変わります」(管理栄養士・料理研究家 金丸絵里加さん・以下同)。栄養を効率よく摂れるレシピを紹介します!
カルシウム&鉄分が一番豊富! 骨や血を豊かに【小松菜】
●栄養ポイント
・骨をつくるカルシウムがほうれん草の3倍以上
・血液を生成する鉄分もほうれん草の1.4倍
・ビタミンCが失われないように、加熱は最小限に
●「ぶりのごまみそ炒め」
甘辛な濃厚だれを絡めればご飯も進む!
【材料】(2人分)
ぶり……2切れ
小松菜……小1束
ごま油……大さじ1/2 しょうが(せん切り)……1片分
白すりごま・大さじ2
以下A
みそ……大さじ1と1/2
しょうゆ・片栗粉……各小さじ1
酒……大さじ1
砂糖……大さじ1/2
湯……1/2カップ
●作り方
【1】ぶりは水気を拭き取ってひと口大のそぎ切りにする。小松菜は5cm長さに切る。Aの材料をよく混ぜておく。 【2】フライパンにごま油としょうがを入れて熱し、1のぶりを並べ入れて両面を中火でサッと焼く。
【3】2に小松菜を入れ、全体を混ぜながら強めの中火で炒める。
【4】Aを3に加え、ぶりに火が通るまで炒め煮する。仕上げにすりごまを加えて混ぜ合わせる。
β-カロテン&食物繊維がNo.1!免疫力をアップ【春菊】
●栄養ポイント
・活性酸素を除去するβ-カロテンは油で吸収率アップ
・食物繊維のほか、葉酸やカルシウムも多め
・香り成分のα-ピネンなどでリラックス効果も
●「刻み野菜の納豆和え」
軸と切り干しのポリポリ食感で満腹感をプラス!
【材料】(2人分)
切り干し大根……10g
春菊(軸のみ)……1/2束分
納豆(たれ付き)……2パック
酢……小さじ1
●作り方
【1】切り干し大根は水につけて戻し、春菊の軸は軽くゆでる。ともに水気を絞ってみじん切りにする。
【2】納豆にたれと酢を加えてよく混ぜ、1を加えて和える。
●「和風カルパッチョ」
柔らかい葉の部分は香りもフレッシュな生食で!
【材料】(2人分)
鯛(刺身用)……1さく
塩……少量
春菊(葉のみ)……1/2束分
ゆずの皮(せん切り)……適量
以下A
オリーブオイル……大さじ1
ゆず果汁……小さじ1~2
しょうゆ……小さじ1
●作り方
【1】鯛は全体に塩を薄めに振り、水気が出たら拭き取る。春菊の葉は冷水につけ、パリッとしたら水気を切る。
【2】器に1の春菊をのせ、その上に鯛を盛ってゆずの皮を散らす。仕上げに、合わせたAを回しかける。
冬場はビタミンC&葉酸が 最高値に! 細胞から若々しく【ほうれん草】
●栄養ポイント
・冬のほうれん草は、夏よりビタミンCが倍増!
・赤血球をつくり、細胞の再生を助ける葉酸が豊富
・マグネシウムの効果で骨や歯を丈夫にする
・赤い根の部分には、骨をつくるマンガンが多い
・ルテインがブルーライトや紫外線から目を守る
●「のり巻きミートローフ」
冬採れの甘み&栄養を中心に詰めて!
【材料】(2人分)
ほうれん草……1束
しょうゆ……小さじ1
焼きのり(全型)……2枚
ごま油……大さじ1/2
以下A
合いびき肉……300g
卵……1個
おろししょうが……小さじ1
塩……小さじ1/2
こしょう……少量
パン粉・粉チーズ……各大さじ2
●作り方
【1】ほうれん草はゆでてアク抜きし、水気を絞って半分に切り、しょうゆを振って和える。
【2】ボウルにAを入れ、よく練り混ぜる。
【3】のりの上に2を半量のせて薄く広げ、その上に1のほうれん草をのせる。手前から巻き、巻き終わりを下にしておく。これを2本作る。
【4】フライパンにごま油を熱し、3を並べ入れて転がしながら中火で焼く。表面が軽く焼けたら、ふたをして4~5分ほど弱火で蒸し焼きにする。最後にふたを取り、転がしながら焼き目をつける。
【5】4を切り分け、器に盛る。
※結石を防ぐ下ごしらえ
アクの成分であるシュウ酸は、体内に溜まると尿路結石などの原因になる。ほうれん草はゆでた後、水にさっとつけてアク抜きを。「ビタミンCは水中に流出するので、さらすのは手早く! 切り口からも流出するので、切るのはゆでてから」。
色は淡めでも緑黄色野菜ビタミンKや鉄分も【水菜】
●栄養ポイント
・骨を形成するカルシウムとビタミンKが豊富
・ほうれん草に匹敵するほどの鉄分を含む
・ビタミンC含有量はキャベツより多い
●「焼肉のっけサラダ」
せん切りキャベツの代わりにどっさり盛って!
【材料】(2人分)
焼き肉用牛もも……180g
水菜……1/2束 赤パプリカ……1/2個
ごま油……大さじ1/2
白いりごま……小さじ2
以下A
しょうゆ……大さじ1
みりん・みそ……各小さじ2
砂糖……小さじ1
豆板醤・おろしにんにく……各小さじ1/2
●作り方
【1】牛肉は半分に切って混ぜたAをもみ込み、20分以上おく。
【2】水菜は5cmほどの長さに切って水に放ち、パリッとしたら水気を切る。パプリカは薄切りにし、水菜と和えて器に盛る。
【3】フライパンにごま油を熱し、汁気を軽く切った1の牛肉を入れて両面を焼く。
【4】3を2にのせ、白ごまを振る。
食物繊維が余分なコレステロールを抑制【ごぼう】
上と下で食感と香りが違う ごぼうは、太い上側は香りが強く、ホクホクしているので煮物がおすすめ。下側は若い細胞が多く、シャキシャキしているので、ささがきに。スープに入れると水溶性食物繊維を逃さず摂れる。
●栄養ポイント
・水溶性&不溶性食物繊維をバランスよく含むので効率よく腸を整える
・食物繊維のイヌリンが余分なコレステロールの吸着を抑える
・皮にポリフェノールが豊富。たわし洗いで、皮ごと使う
●「根菜のラタトゥイユ」
ホクホク和野菜とイタリアンの絶妙コラボ
【材料】(2人分)
ごぼう……2/3本
れんこん……1/2節強
オリーブオイル……大さじ1/2
玉ねぎ(みじん切り)……1/4個分
にんにく(みじん切り)……1/2片分
砂糖……小さじ1
ホールトマト缶……1/2缶弱
コンソメスープの素……小さじ1
ブラックオリーブ……4~6個
塩・こしょう……各少量
●作り方
【1】ごぼうとれんこんはやや大きめの乱切りにする。
【2】鍋にオリーブオイルとにんにく、玉ねぎを入れて弱火で炒める。香りがたったら1を加えて炒め合わせ、砂糖を加えてふたをして蒸し焼きにする。
【3】2につやが出てきたら、ホールトマトとコンソメスープの素を加え、再びふたをして約10分弱火で煮る。
【4】3に5mm幅に切ったオリーブを加え、塩・こしょうで味を調える。
●「ささがきごぼうのオニオングラタンスープ」
【1】鍋にささがきのごぼう(1/2本分)、薄切りの玉ねぎ(1/2個)、バター(10g)を入れて5分ほど蒸し焼きにし、水(2カップ)・コンソメスープの素(小さじ1/2)で煮て、塩・こしょうで味を調える。
【2】1を2つの耐熱容器に入れ、薄切りのフランスパン(各1枚)とピザ用チーズ(各10g)をのせ、オーブントースターで約10分焼く。
外葉、中心部を効率よく使い分け【白菜】
●栄養ポイント
・栄養は外から中心へ送られるので、中心部から食べて外葉の栄養の流出を止める
・中心部にはカリウムなどのミネラルが豊富
・疲労回復効果のあるGABAは根元に多い
●「かきの卵とじ」
磯の香りが広がる滋味豊かな味わい!
【材料】(2人分)
白菜……4~5枚
かき……6~8個
片栗粉……適量
ごま油……大さじ1/2
溶き卵……2個分
以下A
だし……1/3カップ
砂糖……大さじ1
みりん……大さじ1/2
酒……大さじ2
しょうゆ……大さじ11/2
●作り方
【1】白菜は縦半分に切ってから2cm幅のそぎ切にする。かきは水気を拭き取り、片栗粉を薄くまぶす。
【2】フライパンにごま油を熱し、1のかきを入れて両面を中火でサッと焼く。
【3】2に1の白菜とAを加えて強火にし、煮立ったらふたをして弱めの中火で3~4分煮る。
【4】3に溶き卵を回し入れてふたをし、ひと煮立ちしたら火を止める。
●「根元まで使った白菜コールスロー」
【1】白菜(4枚)は横に細切りにしてポリ袋に入れ、塩(小さじ1/2)を加えてしんなりしたら水気を絞る。
【2】1に細切りにしたハム(2枚分)、マヨネーズ(大さじ2)、砂糖・しょうゆ(各小さじ1/2)を加えて和える。
緑黄色野菜と淡色野菜の二面性が魅力【長ねぎ】
●栄養ポイント
・緑の部分はβ-カロテンが豊富で抗酸化作用あり
・白い部分は刻むほどにアリシンが増加。殺菌作用&血液サラサラに
●「豆腐のたらこ煮」
体の芯からほっこり温まるとろみが◎
【材料】(2人分)
絹ごし豆腐……1丁
たらこ……大1/2腹
長ねぎ……1本
だし……1カップ
酒……大さじ1
塩……小さじ1/4
片栗粉……小さじ1
●作り方
【1】豆腐は半分の厚みに切ってから4等分に切る。たらこは中身をしごき出す。長ねぎは斜め薄切りにする。
【2】鍋にだしと1の長ねぎを入れて中火にかける。煮立ったら酒、塩、豆腐を加えてひと煮立ちさせる。
【3】2に1のたらこ、同量の水で溶いた片栗粉を加えて煮立て、大きく混ぜながら1~2分煮てとろみをつける。
皮まで活用することで倍になる栄養素も【にんじん】
●栄養ポイント
・皮に含まれるβ-カロテンは中心部の倍以上
・ポリフェノールも皮に多いので皮ごと食べる
・古くなると中心部の栄養が失われやすい
・根と葉をすぐに切り分けて根の栄養キープ
特有の栄養素は生で皮ごと食べてこそ【大根】
●栄養ポイント
・根元と皮に多いイソチオシアネートは、皮ごとすりおろすと血液サラサラ&老化予防に
・消化酵素を活かすには生で食べる
・ビタミンCは皮付近に最も多く含まれる
教えてくれたのは
金丸絵里加さん/管理栄養士・料理研究家。女子栄養大学で講師を務めるほか、メニューコンサルティングも行う。著書は『一椀でおなかも心も大満足 具たっぷりのおかずみそ汁』(東京書店刊)など多数。
※女性セブン2018年12月13日号