“名もなき家事”「ダンボール箱の解体、シャンプーの詰め替え…」お悩み別解決法を家事のプロが提案
「ダンボール箱を“解体して”捨てる」「詰め替えボトルを“洗って”中身を詰め替える」。ひとつひとつの家事に名前はないが、意外と結構な手間を要する。そんな「名もなき家事」にまつわるお悩みに、家事アドバイザーの矢野きくのさんがアンサー!
家族がやってくれない「名もなき家事」お悩み実例
これまで筆者の講演などで寄せられた名もなき家事についてのお悩みを紹介します。生活者から寄せられた悩みに対し、解決策を提案してみたいと思います。
【お悩み1】ダンボールの空き箱
「宅配便で届いたダンボールの空き箱を誰も家族が片付けてくれません」
ダンボールの空き箱を潰して束ねるという名もなき家事も、けっこう手間がかかるものです。荷物を受け取った各自で、潰すところまではやってもらいたいもの。
玄関から入ってきて玄関から出すダンボールなので、いちばん効率的なのは玄関で処理することです。できれば玄関にカッターなどを潰すための道具と、潰したダンボールを置く場所をしっかり作っておくことで、各自がダンボールを処理するハードルが下がります。
筆者は玄関にダウンボール用のカッターと置き場所となるダンボールストッカーを設置しています。
【お悩み2】トイレットペーパーの芯
「家族がトイレットペーパーを交換してくれたまではいいけれど、芯をゴミ箱に入れずにそのまま置かれています」
名もなき家事に関して、この悩みは意外と多く聞かれます。こちらは、芯がないトイレットペーパーを使うということで解決できます。
例えば、無印良品の「トイレットペーパー長巻ダブル」は芯がなく最後までペーパーです。そして1つが125メートルあるので、一般的な25メートルのものと比べるとトイレットペーパーを交換する回数が5分の1で済みます。
【お悩み3】詰め替えボトル
「シャンプーがなくなったらそのまま。詰替えをするときにボトルを洗うのが手間です」
これも意外と家族はやってくれない名もなき家事のひとつです。シャンプーやボディーソープの中身がなくなっても、そのまま放置されているという家庭も多いのではないでしょうか。
この作業は、近年増えてきているシャンプー類を入れ替えずにそのままボトルに入れられるものを利用することでラクになります。中身がなくなったらパッケージごと入れ替えるだけで、毎回綺麗に洗うということまでしなくても汚れはつきません。
【お悩み4】玄関の靴
「玄関に靴が脱ぎ散らかされたまま…。結局、わたしがすべて靴箱にしまっています」
一日履いた靴は、靴のためにもすぐに靴箱に入れず一晩乾燥させるのが理想的です。とは言え、玄関に何足も靴が出ていて、さらにはそれが脱ぎ散らかされた状態は好ましくありません。
「ひとり1足分」と、靴を置く場所を指定してしまうのも手。養生テープなど剥がしやすいテープで、ひとり分ずつの枠を作ってみてはいかがでしょうか。
自分の場所以外には靴を置いてはいけないというルールを作るのです。高さの低い空き箱やカゴで場所を指定するのもいいでしょう。習慣づけば場所の指定をしなくても、自分の場所に置くようになってくれるはずです。
どれもこれくらいやってほしいと思うことですが、「言ってもやってくれない」と苛立つのは精神的にもよくないので、やってもらうための方法を考えて苛立つのを回避するほうが、結果的にはラクになれるのではないでしょうか。
今回は名もなき家事についてご紹介しました。名もなき家事は家族構成や住んでいる場所など、さまざまな要因で解決策も変わってきます。名もなき家事の存在にモヤモヤしているのであれば、一度しっかりと洗い出し、解決策を考える時間をとってみることをおすすめします。
執筆
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/
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