60周年「3分クッキング」31年ぶりの男性講師が明かす番組撮影秘話と人気レシピ
今年60周年の「3分クッキング」。昨年から講師となった今井亮さんはなんと、31年ぶりの男性講師だという。そんな今井さんが番組で伝えていきたいことを話してくれました。アシスタントを務めるアナウンサーは試食をしてから収録に臨むなど、番組がもっと楽しくなるトリビアも紹介します。
店の技を盛り込んで“簡単なのにおいしい”を目指しています
「昨年からレギュラー講師に加わりましたが、男性は31年ぶりだと聞いています。まさか自分が出演するとは思っていなかったので、初回の収録では足が震えました(笑い)」と今井亮さん。
得意なのは、店ならではのテクニックを盛り込んだ中華料理。簡単にプロの味に近づけると好評だ。
「ほんの少しのことで料理の味は変わるので、例えば『塩を最後に加えることで、チャーハンがパラパラに仕上がる』など、すぐ実践できるちょっとしたコツも紹介するようにしています」
鶏肉のしょうが焼き
初収録で紹介した初心者お助けレシピです。(2022年3月5日放送)
材料(2人分)
鶏もも肉…1枚
玉ねぎ…1/2個
トマト…小1個
キャベツ…3枚
A[しょうがすりおろし…1片分 しょうゆ…大さじ11/2 みりん…大さじ1 砂糖・ごま油…各小さじ1]
【作り方】
【1】鶏肉は皮目を下にしておき、細長くなるように縦半分に切り、横1㎝幅に切る。
【2】玉ねぎは繊維に沿って縦1cm幅に切り、ほぐす。
【3】トマトは1.5cm角に、キャベツは長さを半分に切り、5mm幅の細切りにする。器にキャベツ、トマトの順に盛る。
【4】Aは混ぜておく。
【5】フライパンに油大さじ1(分量外)を入れ、強めの中火にかけてよく熱する。鶏肉を重ならないように入れ、3分ほど焼き、焼き色がついたら返す。さらに1分ほど焼き、火を通す。
【6】玉ねぎを加えて1分ほど炒める。
【7】具材をフライパンの向こう側に寄せて手前をあけ、【4】を加える。
【8】調味料が煮立って泡が大きくなったら、手早く全体を炒め合わせる。全体に調味料がからんだら、火を止めて【3】の野菜の上にのせる。
★思い出エピソード
鶏肉のしょうが焼きは、一人暮らしを始めた人向けに考案したレシピです。
ちくわとブロッコリーのチャーハン
小学生の頃から作っている いちばんの得意料理。(2022年10月4日放送)
材料(2人分)
ご飯(温かいもの)…300g
ブロッコリー…1/3個
ちくわ…2本
長ねぎ…1/4本
卵…2個
塩…小さじ1/4
A[しょうゆ…小さじ2 酒…大さじ1 ごま油…小さじ1]
【作り方】
【1】ブロッコリーは小房に分ける。水で軽くぬらして水気をつけたまま耐熱皿に並べ、ラップをして電子レンジ600Wに2分かける。ペーパータオルで水気を拭き、粗く刻む。
【2】ちくわは縦半分に切り、横5mm幅に切る。長ねぎはみじん切りにする。卵は溶きほぐす。
【3】Aは混ぜておく。
【4】フライパンに油大さじ1(分量外)を強めの中火で熱し、溶き卵を入れてひと混ぜし、ご飯を加えてへらで切るようにほぐしながら3分ほど炒め、塩を加えて混ぜる。
【5】ブロッコリー、ちくわと長ねぎを加えて炒め合わせ、【3】を鍋肌から回し入れて炒め合わせる。
★思い出エピソード
チャーハンは人生でいちばん多く作っている料理だと思います。
3分クッキングの歴史
■1963年 日本テレビで「3分クッキング」が放送開始
■1969年 放送時間が5分から10分になる
■1983年 レシピにエネルギー、たんぱく質、塩分量の栄養表記が加わる
■1995年 放送が1万回を超える
■1996年 WEBサイトを開設
■2014年 番組HPをリニューアルし、スマートフォン対応に
■2022年 紹介するレシピの材料の基本が2人分に。12月から毎週水曜日が「プラスエコの日」に
7つの番組トリビア!
知ればもっと番組が楽しめる7つのトリビアを紹介!
1. “3分”は簡単・便利の代名詞
「3分以内で作れる料理の紹介」と誤解していた人も多いのでは? もちろんそんなことはなく、番組開始当初は5分番組で、放送時間が正味3分だったことが由来。現在の放送時間は10分だが、簡単・便利の代名詞として“3分”を継続。
2. お馴染みのオープニングが60周年を機にリニューアル!
番組名を聞いて誰もが思い浮かべるのが、『おもちゃの兵隊のマーチ』に合わせて踊る、キユーピーとヤサイな仲間たち。60周年の節目にオープニングとエンディングの映像がリニューアルされ、キユーピーたちが新たなダンスを披露している。
3. 忙しくても作れるレンチンやワンパンレシピが増加
「簡単・便利・毎日の献立作りに役立つレシピ」というコンセプトは60年間変わらない。近年はフライパン一つでできる「ワンパンレシピ」や電子レンジを使った時短レシピなど、忙しくても手軽に作れる料理も数多く提案している。
4. 週前半はなるべく簡単に後半は手の込んだ料理も!
週の前半は忙しくてもパパッと作れるレシピ、後半は少し手間をかけて楽しんでもらえるレシピと、作る人の気持ちに寄り添って番組を構成。節分やこどもの日などの行事食も現代風にアレンジして、料理が楽しくなる工夫もしている。
5.登場回数がいちばん多い講師は藤井恵さん
60年の歴史の中では数多くの講師が登場しているが、その中でもっとも登場回数が多いのは藤井恵さん。2003年から2021年まで18年間レギュラーとして出演し、約1400のレシピを紹介している。
6. 毎週水曜日はエコなレシピが登場
エコに対する意識の高まりから、2022年12月7日の放送から毎週水曜日に。『プラスエコの日』に。食材を無駄なく活用する工夫や、省エネにつながるアイデアを加えたレシピを紹介している。
7. アナウンサーも試作してから収録に
味やポイントを自分の言葉で伝えるため、アシスタントのアナウンサーも自宅で試作し収録に臨むそう。特に川畑一志さんは、すべての料理を作っているとか。
教えてくれた人
今井亮さん/料理家
2022年6月から「キューピー3分クッキング」のレギュラー講師として出演。中華料理店で修業したのちに料理家となり、料理の楽しさを伝えている。自身の家庭でも毎食ごはん作りを担当。
撮影/キッチンミノル 取材・文/青山貴子
※女性セブン2023年2月2日号
https://josei7.com/
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