老人ホーム選びのプロ「紹介業者」とは?仲介手数料は?|いい紹介業者選びが介護施設探しの鍵!紹介業者選びのポイントとは
数多くある「老人ホーム」。自分や家族が入居するなら、できるだけ快適な施設に入りたいもの。
施設選びのプロと言われる「紹介業者」の存在をご存じだろうか?いい紹介業者に出会うことが介護施設探しの大きなカギを握る。そもそも老人ホーム紹介業者とは?いい紹介業者に出会うためのコツをご紹介する。
老人ホーム紹介業者とは?相談員って?
前回のランキング企画のポイントは「施設選びのプロが選んだ」という点にあった。本誌は、関東・関西・東海地方の老人ホーム紹介業者の相談員による史上初めてのガチンコ投票を行ない、各地の施設を順位づけした。
そのため、発売後には「相談員というのはどんな人たちなのか?」「紹介業者についてもっと知りたい」といった声も寄せられた。
たしかに、経験したことがないと、「老人ホームの選び方、入り方」は具体的にイメージしにくい。都内に住む50代男性はこんな悩みを語る。
「一人暮らしをしていた母が転倒骨折して入院しました。退院しても元の暮らしに戻るのは難しそうなのでいいホームを探してあげたいのですが、数が多い上に、何を基準に選べばいいのかわからない。見学に行くにも時間は限られているし、病院に聞いても詳しいことをあまり知らない」
●利用者と施設の橋渡し役が紹介業者
そうしたニーズに応える存在として注目されているのが、利用者と施設の「橋渡し役」といえる紹介業者だ。施設への入居を希望する本人や家族から要望を聞き取り、相性がいいと思われる老人ホームを紹介する。
もともとは行政や病院のケースワーカーが利用する「プロが頼るプロ」というビジネスだったが、近年は個人でも気軽に相談できる環境が整ってきている。
●「老人ホーム 紹介」のキーワードで検索する
東京都と神奈川県に相談室を置く紹介業者・ケアミックスの柴田彰社長が説明する。
「相談にいらっしゃる方の多くは、ネット検索で弊社サイト(お探し介護)を見つけて電話をくださいます。『老人ホーム 紹介』といったキーワードにお住まいのエリアを加えて検索すると、都市部なら複数の業者が見つかるはずです。また、弊社を含めた紹介業者の多くは、地域の病院とも密に連携を取っているので、“病院に所属するケースワーカーに教えてもらった”という方も多いです。
連絡をいただいたらすぐに日取りを決めて、直接お会いします。病院やご自宅にうかがうこともあれば、近所のファミレスや喫茶店でお話をすることもあります。どんな施設がいいのか、予算はどのくらいか、何が希望で何が不安か、といったことを聞いていきます」
入居希望者本人や家族から幅広い情報を聞き取りマッチング
入居希望者のニーズは様々であるため、“マッチング”を成功させるには本人や家族から幅広い情報を聞き取る必要があるのだ。
「たとえば糖尿病を患っていてインスリン注射が必要な方の場合、認知症が進んで自己注射ができなくなるかもしれないので、看護師が24時間常駐する施設を優先して紹介したほうがいい。認知症の方には専門的なケアの教育を受けた職員のいる施設を、がんを患っている方なら、先のことを考えて緩和ケアに優れた施設をご提案することもあります。現時点のご要望をうかがうのはもちろん、将来のことも考えて、一緒に施設を絞り込んでいきます」(同前)
入居後も家族と施設の橋渡し役ができるのが理想
東京都にある紹介業者・長寿の窓口の近藤一郎代表は、「ご家族の希望も大切」と語る。
「やはり、“お見舞いに行きやすい場所の施設がいい”というリクエストが多いので、エリアを限定して複数の候補を挙げ、同行見学をしながら絞り込んでいきます。
入居後も仕事は終わりません。こちらから連絡して、困り事がないか確認しています。施設の方に直接伝えにくい要望も、我々紹介業者には気軽に話していただけることがある。それを適切に施設側に伝えたりして、入居後も橋渡し役を続けられるのが理想の相談員の姿と考えています」
1年間に数百のホームを訪問して施設をチェックする相談員
では、入居者と施設の間に立つ「相談員」は、最適と考えられる施設をどうやって探してくるのか。
前出・柴田氏によれば、「多くの紹介業者では、相談員ごとに担当するエリアが決まっていて、新しい施設ができたら必ず見学に行く」のだという。
「実際に見ていない施設は責任もって紹介できないですからね。
見学する際は、施設長やスタッフの方とよく話すように心がけています。老人ホームは施設長の人柄によって雰囲気やケアの質が大きく変わってきます。魅力的だった施設が、施設長が代わった途端にだらしない施設になることは少なくありません。定期的に足を運んでケアの質がキープされているのかも確認しますし、入居者の方と同じ食事を食べたりもします。ベテラン相談員になると1年で数百のホームを訪問している人もいます」
見学を繰り返すことで、入居希望者に合った施設が紹介できるという説明である。