黒柳徹子|話題のインスタ「衝撃写真」と攻める終活の理由
今から65年前。日本でテレビが誕生したその時からテレビタレントとして第一線で活躍してきた黒柳徹子。戦後最大の800万部のベストセラーとなった『窓際のトットちゃん』でも知られるが、彼女自身多くの明言を残している。その黒柳が人生の壁に当たった時に繰り返し思い出す言葉があるという。
85才を迎えた黒柳が明かした胸を打つ言葉とは――。
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「黒柳徹子のようい仕舞いたい」と反響続々の胸を打つ言葉とは・・・インスタグラムにアップした衝撃の写真
ピンク色の髪に青いモヒカン、目にはブルーのアイシャドー。頬にはカラフルな涙がつたい、赤いコウモリが羽を広げる。「Happy」「Halloween」の文字をデザインした両手の甲を見せて、決めポーズ──。
黒柳徹子(85才)が10月30日、自らのインスタグラムにアップした衝撃の写真。85才にして100円ショップでシールを買い、見事に仮装してみせた。
「黒柳さんのインスタは約2年前に開設して以降、フォロワーは100万人超え。投稿の中でも注目されるのは、H&Mなどのファストファッションをたびたび披露してきたこと。いわゆるブランドもので着飾るのではなく、安くてセンスのいいものを取り入れていて、若い人たちの間でも、ものすごい人気なんです」(ファッション誌記者)
意識している最期の時
いつまでも若々しく、好きなことを楽しむ姿を見せている黒柳。しかし、その一方では、いつかは誰にでも訪れる、「最期の時」も意識しているという。
「2016年7月の大橋巨泉さん、2017年6月の野際陽子さんなど、次々に親しい人の訃報が届くことにものすごく寂しさを感じているそうです。そのため、自分なりの『終活』をしているそうです。それも彼女らしい方法で」(黒柳の知人)
冒頭の写真をインスタでアップした5日後の11月4日、黒柳は昔の写真とともにこんなコメントをアップした。
《草原の輝き 花々が咲き乱れて素晴らしい光景、もうそれらを見ることができなくなっても、あなたは嘆くことはないのです。すでに、あなたは、人生の奥深くを分かって、前に進んでいるのだから》
その言葉は1961年公開のアメリカの青春映画『草原の輝き』に出てくる、イギリスの代表的なロマン派詩人であるウィリアム・ワーズワースの詩の一節だ。
『草原の輝き』は世界恐慌になる前のアメリカを舞台にした男女の恋愛物語で、その恋模様が悲劇的に切なく描かれている。ウォーレン・ベイティの出世作となり、ナタリー・ウッドはこの作品でスターの座を確たるものにし、アカデミー賞では脚本賞にも輝いた名作だ。タイトルはワーズワースの詩からとられ、劇中ではその詩が朗読されるシーンがある。
「この頃、黒柳さんはまだ20代。何度も映画館に行っては、字幕を見て詩の言葉を必死に書き写したそうです。年齢を重ねたからか友人や知人が亡くなることが多く、寂しさや心細さを感じた時には、この言葉を思い出すことで生きる勇気をもらっているとか。黒柳さんは“自分もいつそうなるかわからない”と思い、自分を支えてきてくれたこの言葉を多くの人に伝えたかったのだそうです」(前出・知人)
インスタには、その胸打つ言葉にフォロワーから《前向きになる一篇です》《恩人を亡くした後なので慰められました》といった共感のコメントが書き込まれた。過去のものから現在の姿まで、インスタを通じて自分を晒し続ける黒柳。
「それが黒柳さん流の『終活』なんでしょう。樹木希林さんが持ち物を減らしていったように、多くの人の場合、終活といえば『断捨離』することであり、身の回りを整理していく。でも、黒柳さんは“私は捨てない”という考えを持っているそうで、自分の歩んできた人生を紹介し、その経験を伝えることで終活しているのだと思います。その“攻める終活”に共感を得ている人は少なくない」(芸能関係者)
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クマのぬいぐるみを抱えた幼い頃の写真もインスタにアップ
『草原の輝き』の詩以外にも、写真とともに自らが経験したことをインスタにあげている。
昨年10月には、クマのぬいぐるみを抱えた10代前半の写真をアップ。幼い頃の写真で、今の黒柳の面影はほとんどない。写真のコメント欄には、戦争の疎開のため、そのぬいぐるみを家に置いて出て行ったと書いている。
「思い出したくもない暗い時代のことでも、あえてインスタにあげることで、客観的に自分の歴史を振り返れて、しかも、不特定多数の人の記憶の中にとどめることができます。また、戦争の経験を、それを知らない世代に引き継ぐこともできる。“自分が生きた証”を残すということは、幸せなことです。私も黒柳さんのように“仕舞いたい”と思うようになりました」(60代女性ファン)
終活カウンセラーの武藤頼胡さんが解説する。
「終活として断捨離を行うことは、遺品整理といった家族への負担を減らすことができます。でも、大切なものを捨てることがつらい人もいて、無理に断捨離しようとすると残された時間がつらく虚しいものになってしまいかねません。黒柳さんのように、自分の人生を見せることで多くの人に教訓を伝え、それが自分自身にとってもひと区切りつけることにつながる。黒柳さんは、また別の終活のあり方を示してくれたのだと思います」
前向きな生き様をみせる「終活」
もちろん、終活といっても「過去の自分」一辺倒ではない。冒頭のハロウィンのインスタのように、黒柳は私生活でも仕事でも前向きだ。
「『徹子の部屋』(テレビ朝日系)は毎週月曜日に3本、火曜日に4本収録しているそうです。レギュラー以外でも、今年9月には舞台『ライオンのあとで』に約1か月にわたって主演するなど、現役バリバリです」(テレビ局関係者)
最近では、10月31日放送の『徹子の部屋』で、ゲストの女優・奈良岡朋子(88才)と車の運転談義になり、「私はしていません、もう。この間の免許証の書き換えの時にやめました」と、運転免許証を更新しなかったことを打ち明けた。
「これも、高齢ドライバーによる事故に対する問題喚起の一面があるのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)
黒柳の生き様は、多くの人の心を打っている。
※女性セブン2018年11月22日号