医学界が注目する最強の食事法「アルカリ化食」で不調に克つ!食材や実践法を医師が解説
【朝】
・りんご半分
・オレンジ半分
・紅茶
【昼】
・レタス・きゅうり・トマトのサラダ
・昆布とひじきの煮物
・そら豆炒め
・焼きなす
・あじのれんこんみそ
・オレンジ
【夜】
・ゴーヤーといかの炒め物
・さば・あじ・いかの刺身
・かぼちゃの煮物
・きゅうりの塩漬け
・野菜の素揚げ
虫歯のなりやすさも酸性体質と関連
「そのうえ、歯科治療中にC型肝炎患者の注射針が私と知人の歯科医の指に刺さったときに、知人は感染しましたが、私は感染しなかった。これも私がアルカリ性体質だったからだと考えています」
虫歯のなりやすさも酸性体質と関係している。
「体内が酸性かアルカリ性かの診断は、唾液のpH(ペーハー)値を測ることで行います。値が低いほど酸性に傾いており、具体的には6.5以下になると、身体の内部環境が損なわれて、口腔内の虫歯や炎症を起こしやすい状態になる。ヨーロッパの歯科医院では、毎年唾液のpH値を検査するのが常識ですし、私のクリニックでも行っています」
体の酸性化とがん発生・進行の関係とは?
がんの治療に特化した「アルカリ化食」を研究・実践する水道橋内科クリニック院長の浜口玲央さんは、がんの発生や増殖、進行にも体の酸性化が大きくかかわっていると指摘する。
「がん細胞は糖質を用いた『解糖系代謝』により増殖します。この働きは酸性物質を生み出してがん細胞を取り巻く環境を酸性化することでがん細胞を活性化させるという特徴がある。そのため、体が酸性であればそれだけがん細胞に有利に働き、反対にアルカリ化すればがんの増殖進行を抑えられる。加えて、酸性体質は抗がん剤が効きづらいことも明らかになっています。薬剤ががん細胞の中に取り込まれるのを阻害し、化学療法の効果が得られにくくなるのです」(浜口さん・以下同)
浜口さんのクリニックでは、体のpH値を尿で測定している。
「ほとんどの人の尿のpH値は弱酸性の5~6。一方で、体をアルカリ性にする『アルカリ化食』を実践している人は7~8になる。pH値が7を超えると、がん患者の生存期間が大幅に延長するという研究結果があります。体の酸性化が悪影響を及ぼすのは、どの部位のがんでも変わりません」
アルカリ化食によるすい臓がん患者の治療効果
治療が難しいすい臓がん患者を対象とした調査でも、アルカリ化食によってめざましい治療効果がみられた。
「京都大学との共同研究で、『すい臓がんの標準治療を受けた群』と、『標準治療とアルカリ化食を併用した群』を比較したところ、アルカリ化食を併用した人たちの方が、明らかに生存期間が長くなることがわかりました。なかでも尿のpH値が7以上の人たちは大幅に生存期間が延びた。
ほかにも、肺がんの患者にアルカリ化食を併用して分子標的薬(※)を投与したところ、通常よりも少ない用量で充分な治療効果が得られたというデータもあります」
(※)がん細胞をピンポイントでとらえ、標的として効率よく作用するように作られた薬のこと。
がん治療のために「アルカリ化食」を取り入れた浜口さんは、思いがけないプラスαの効果を実感しているという。
「がんの治療効果を高めるだけでなく、発症予防や治療後の再発予防にもなるうえ、がんに罹患していない人にも健康効果が期待できます。実際、患者と一緒に食事を変えた家族からは、『体が軽くなった』『便通がよくなった』という声を頻繁に聞きます」