猫が母になつきません 第328話「えいえん」
「だれか助けてー!」最近はこの言葉を声に出して言っています。身に危険が及んだ時にしか使わないと思っていました…。母は深夜2時に起き出して今日の予定をチェックしはじめ、しかし母の脳内スケジュール帳はいつも間違えていて、それを修正するのは極めて困難。以前は有効だった紙に書いて貼る作戦も今は効果なしで、永遠に続くかと思うほど同じ会話が何時間も繰り返されます。今通っている歯医者さんがやさしくて、忙しいのに話を聞いてくれるので母は予約がなくても行きたい。でも次の予約は一週間も先。待ちきれないのもあってとにかく行こうとします。私はもともと声が小さいほうなのですが、この頃母に対しては声が大きくなってほぼ怒鳴っているような感じ。一緒に暮らしている私の声は母にとってはちょっと風が吹いたくらいの生活音でしかなくなっており、普通に話したくらいでは全く届かないのです。怒鳴るくらいの声でやっとちょっと届く。そして会話が繰り返されるほどに声は大きくなり…。やさしくしていればいいだけなら楽、それではすまないのが一番しんどい。毎日猫成分必須です。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。