猫が母になつきません 第306話「ぬけてる」
差し歯が取れてしまうのって、だいたい歯医者さんが休みの日だったりしませんか?少しぐらぐらしていたので治療の予約はいれていましたが、そこまでもたずに取れてしまった左の前歯。休み明けに歯医者さんに電話をすると「痛みがなければ予約の日までそのまま待ってもらっても大丈夫ですけど、見た目とか気になりますよね?」と言われ、まあ別にいいか…と結局5日先の予約の日まで歯抜け状態で過ごすことに。若い頃に事故で前歯が折れてしまい、私の前歯は二本とも差し歯なのです。やはり前歯というのは存在感がすごいので、1本ないだけで見た目もすごいことになってしまうのですが、感覚的な喪失感もすごくて、実際の幅でいうと1センチもないくらいの空きスペースが、口の中の感触では軽自動車くらいなら入るんじゃないか?っていうくらい広く感じます。前歯がない状態って普通はなかなか無いのでわかってもらいにくいとは思いますが。ともかく見た目問題はマスク時代のおかげでまったくなんの支障もなく、普通に病院や買い物に出かけられました。家では私の前歯が無くても母は気がつきもしないし、猫も気にしませんしね。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。