腹筋運動が苦手でもできる「野口体操」|最小限の力の感覚をつかむ『おへその瞬き』
いま話題の「野口体操」で、体をほぐしてみませんか。その考案者である東京藝術大学・野口三千三(みちぞう)名誉教授(享年83)から教えを受けた、羽鳥操(みさお)さんがその一部を伝授してくれました。「野口体操の会」主宰であり、最近『「野口体操」ふたたび。』を上梓した羽鳥さん。腹筋運動が苦手でもできる「おへその瞬(またた)き」をすれば、最小限の力で体を動かすコツがつかめるという。力はあまり使っていないのにダイナミックな動きができるので、ポカポカと体が温まってきますよ。
最小限の力の感覚をつかむ『おへその瞬(またた)き』
「腹筋運動が苦手な人も多いと思いますが、『おへその瞬き』は腹筋を動かすのは最初の一瞬。ピッと力を入れた後すぐに力を抜くと、上体が反作用でふわりと起き上がっていきます。実はこの動きは、腹筋がある程度強いと、無意識に腹筋を使って起き上がってしまうので、本当の意味で上手にできるようになるのは、腹筋が弱いかたが多いのです。もちろん最初はうまくいかないかもしれませんが、コツをつかむと“こんなに楽にできる”と楽しくなるはずです」(羽鳥さん・以下同)
■『おへその瞬き』体操
【1】腕を頭の上に伸ばして仰向けになり、力を抜く。
【2】腕を一気に放り上げたら、すぐに腕の力を抜く。反作用で上体がふわっと浮くので、背中で床を押す感覚で起き上がる。
【3】すぐに腹筋の力を抜く。首の力が抜けるので頭は後ろにぶら下がり、胸は反った状態。
【4】上体の重さを生かし、そのまま前傾する。
【5】力を抜いた状態から、流れるように落ちていくイメージで。
■心もほぐす『野口語録』
力を抜けば抜くほど力が出る。やわらかさとは、変化の可能性の豊かさである。(野口語録)
『野口体操』をやってみた<記者の体験談>
だるい、でもその後は軽い!
記者も羽鳥さんに指導してもらいながら体験すると、初めての動きにからだが驚いたのか、その晩、筋肉痛が。脚や腕などの重さを改めて感じ、自分のからだをいたわろうという気持ちが湧いてきた。
翌日、寝起きが爽快。夕方、原稿作成の合間にその場ジャンプを行うと、猛烈に筋肉痛のようなだるさが襲ってきた。でもそれを乗り切ると驚くほどからだが軽い。終電に飛び乗って帰宅する際も朝より足取りが軽かった。さらに指先までポカポカが続き、末端冷え症も気にならない。ゆれるだけなので簡単、かつ心地よい。癖になります!
撮影/爲永 協力/野口体操の会 noguchi-taisou.jp 取材・文/辻本幸路
※女性セブン2022年5月26日号
https://josei7.com/
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