床掃除でやってはいけない3つのことを3人の達人が指南!床をピカピカにするメソッド
実はこの季節、意外と汚れているのが「床」。取り切れずに蓄積した汚れが健康を害してしまう場合も…。ホコリや花粉、ウイルスまで、気になる床汚れをスッキリさせる掃除術を、プロに聞きました!
床掃除の仕方間違っていませんか?
「掃除は窓を開けて行うイメージがありますが、実はホコリが風で追いやられ、床の隅や壁にたまってしまう」と医療環境管理士の松本忠男さん。
さらに、掃除不足の部屋では、除菌スプレーなどの対策も逆効果になってしまうという。
「ウイルスや細菌は、汚れと混じり合ってホコリになり、主に床に蓄積。そこに除菌スプレーをかけると、風圧でウイルスを拡散してしまう場合も。掃除されていない部屋に換気や除菌をしても効果は得られません」(松本さん・以下同)
つまり、“換気は掃除後”が鉄則。
「風の入口(狭く)と出口(広く)を作って換気を。花粉が気になる場合は、サーキュレーターで空気を押し出すのもいいでしょう」
ホコリやダニ、カビ、ウイルス、花粉、さらに布団や洋服から出る繊維、髪の毛、皮脂やフケなどが絡まり合うことで、私たちの健康に悪影響を与える。リビングの床のホコリ1gに約260万個もの菌が存在するといった研究結果も!
床掃除の基本は…乾拭き!
「家の中で一番多い汚れはホコリです。ふわふわと乾いて床にたまる汚れを取り除くには、まず乾拭きをするのが正しい掃除法。拭き方は汚れを散らさないよう、一方向に拭くのが基本。乾いたホコリに最初から水拭きをしたり、洗剤をかけるのは逆効果です。家の掃除の大半は、乾拭きだけでキレイを保てますよ」(松本さん)
【掃除の順番1】フローリングワイパーで「乾拭き」
【掃除の順番2】マイクロファイバークロスで「水拭き」
床掃除のコレ、やっちゃダメ!
【1】窓を開けて掃除はしない!
ホコリは上から下に落ちるため、朝起きたときには、床にうっすらホコリが積もっている状態。そこで窓を開けてしまうと、積もったホコリが舞い上がってしまうことに。そのため、掃除前に窓を開けるのはNG! 家族が動き出す前の朝一番、または家族の帰宅前、自分一人のときに掃除するのがオススメ。換気は掃除後に行って。
【2】水拭きから始めない!
拭き掃除を水拭き(またはウエットシート)から始めるのは厳禁!
たとえば小麦粉が床にこぼれた場合(下写真)。乾拭きなら集めやすく取り除きやすいが、最初から水拭きをすると、粉が水分を含んでベタ付いてしまう。ホコリや汚れも一緒だ。水分を含んだ汚れを床に広げてしまうので、床掃除は基本、乾拭きから始めると心得て!
【小麦粉で実験!】違いは歴然!!
いきなり水拭きをすると汚れが広がる…!
乾拭きから始めればスッキリ!
【3】フローリングに掃除機は使わない!
床にはホコリとともに皮脂汚れなどが貼り付いて掃除機では取り切れないため、フローリングワイパーのドライシートでの乾拭きが最適。シート部分を床に押し付けて一方向(S字)に拭くことで、ムラなくホコリが取れる。掃除機は排気口からの風でホコリを舞い上げることもあり、フローリングの床掃除には不向き。一方、カーペット掃除には適している。
教えてくれた人
松本忠男さん/医療環境管理士
「Dr.CLEAN+除菌応援プロジェクト」(エステー)で、正しい清掃方法を楽しく学ぶ「福育」活動の啓発を進めている。
ホコリが汚れになる前に 掃除をするのが正解!
「家の中の汚れはホコリが変化したもの」と教えてくれたのは清掃マイスターの山崎由香さん。
「時間とともに白いホコリは床に落ち、繊維や髪の毛と絡まり、水分や油を含んでグレーや茶色のホコリに変わります。臭いを吸着し、悪臭の原因にもなります」(山崎さん・以下同)
“乾拭きで落とせるうちに掃除” しておくことで、掃除がグンとラクになるそう。
「その後の水拭きでも雑巾に汚れはほぼ付きません。毎日の乾拭きで、床のホコリが減り、床に汚れが付きにくくなることを実感できますよ」
ホコリが汚れになるまで
【1】ふわふわホコリ
テレビや棚の上に見られる白っぽいホコリは、“生まれたて”。ハンディモップでサッと取り除けるので、早いうちに掃除を。
【2】しっとりホコリ
ふわふわホコリが下に落ち、衣類や布団の繊維、髪の毛、ダニ、花粉などが付着することで、グレーや茶色に変化。
山崎さんオススメ! 温泉タオル
【3】べっとり汚れ
しっとりホコリに、飲み物や食べ物、尿などの水分や料理の油、人の体から出る皮脂が吸着することで、かたまりになる。
マイクロファイバークロスで水拭き
べっとり汚れは「マイクロファイバークロス」を40度の湯で絞って拭けばスルッと落ちる。
【4】ガビガビ汚れ
べっとり汚れを放置すると水分が蒸発し、ガビガビとしたこびり付きに。ヘラなどで削り落とす必要が出てくる。
教えてくれた人
山崎由香さん/清掃マイスター
自然派ハウスクリーニング「HappyLife」主宰。掃除のプロとして1000件以上の現場経験を持つ。多くの講演などで掃除と片付けのコツを伝授。
水拭きだけで取れない汚れは、洗剤をうまく使って落とそう
汚れを放置し、乾拭き&水拭きで落ちなくなった場合には、洗剤を使って落とす。
「まずは誰の家にもある中性洗剤(食器用洗剤など)で拭き掃除を。それでも落ちなければ強めの洗剤を使います。カビなのか油汚れなのか、汚れの性質を知ったうえで洗剤を選ぶことが大切です」とお掃除職人のきよきよさん(以下同)。
とくに床が汚れやすいのは“脱衣所・洗面所、トイレ、キッチン”だそう。
「リビングばかり掃除しがちですが、この3か所は念入りに掃除を。一度しっかり掃除をしたら、汚れをためないよう心がけて」
汚れの種類別に洗剤を使い分け
★水アカ汚れ:尿や水などの飛び散り跡
酸性洗剤を使う
★カビ汚れ:湿気が多い場所の 黒ずみ
塩素系洗剤を使う
★油汚れ:料理の油 ・人の体から出る皮脂
アルカリ性洗剤を使う
★オールマイティに使える中性洗剤
どんな場所のどんな汚れでも、軽い汚れなら中性洗剤 (主に食器用洗剤など)で落とせる。
教えてくれた人
きよきよさん/お掃除職人
ハウスクリーニング、ビルの清掃などさまざまな掃除を約35年間経験。2016年に開設したYouTubeチャンネル「お掃除職人きよきよ」は登録者23.4万人。
撮影/玉井幹郎 イラスト/ナガイクミコ 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2022年5月5日号
https://josei7.com/
●掃除代行のプロが使う床・窓の汚れにおすすめのグッズ5選|網戸は100均のミトンで