防災の専門家が自宅で備えているグッズ「水はサイズ違いを用意、レインコートは色つきのものを 」
必ずくるといわれている首都直下地震や南海トラフ地震に加えて、近年では台風による被害も日々の暮らしを脅かしている。こうしたなか、防災の専門家たちは日頃の備えの大切さを呼びかけ、自らも準備を進めている。大掃除のこの時期、家のストックを改めて確認しつつ、専門家の防災術を見習ってみてはいかがだろう。
家族で防災について話合い 準備をしている
気象予報士で防災士でもあるくぼてんきさんは、小学生の子供が2人いる4人家族。妻も防災士の資格を持っているため、日頃から家族で防災について話し合っているという。また、家族そろって防災イベントに参加する機会も多いとか。
「イベントでは食品や衛生グッズなど、さまざまな防災用品が配られるので、子供たちはそれを試すのが楽しみのようです。食品は試食し、おいしいものだけ備蓄品に加えます」(くぼさん・以下同)
このように、生活の中に防災教育を取り入れている。
「家族全員で寝る和室には家具を置かず、持ち出し用のリュックは即座に運び出せるようにリビングに置いています。小さい頃から防災について教えているせいか、わが家では防災準備は当たり前のこと。災害への恐怖心はありますが、各自のリュックの中にお気に入りの防災食や菓子などを詰めて、楽しむことも忘れずに準備を進めています」
くぼさんご家族が普段から備えているというグッズを「家での備蓄」「持ち出し袋」「携帯」と3つに分けてリスト形式で紹介していこう。
準備しているグッズから一部を紹介
【1】ヘッドライト
【2】笛
【3】スマホ用バッテリー
【4】マスク
【5】携帯トイレ
【6】消毒液
【7】少量の水で72時間点灯する使い切りライトは常に携帯
家での備蓄リスト
□ 水(2Lを6本+500mlを24本)
□ アルファ化米(わかめご飯と五目ご飯/アイリスオーヤマ)各4袋
□ パックご飯(アイリスオーヤマ)4袋
□ 白がゆ(味の素)4袋
□ 味付のり(大森屋)4袋
□ シリアル(チョコレートグラノラとオールブラン/ケロッグ)各1
□ オートミール(日本食品)1袋
□ 即席麺(うまかっちゃん/ハウス食品)10袋
□ パックおでん(高浜)4パック
□ 携帯トイレ(サニタクリーン/総合サービス)12個
□ ヘッドライト2個 など
★Point1:大小の水をローリングストック
2Lボトルだけだと、持ち出しにくいので。
★Point2:朝食用のシリアルを非常食に
栄養バランスが満点。子供の好きな味を揃えておくと、おやつにもなる。
★Point3:おでんのつゆまで有効活用
温めなくても食べられ、大根(野菜)や卵(たんぱく質)も摂れる。つゆをご飯にかけてもおいしい。
★Point4:夜の停電に備えて枕元にライトを
停電の際、両手が使えるようにヘッドライトを2つ、枕元に置いて寝るのを習慣化している。
持ち出し袋リスト
□ 水
□ 乾パン
□ 温めないで食べられるカレー
□ 笛
□ 携帯トイレ
□ 携帯ラジオ
□ バッテリー
□ 色のついたレインコート
□ 乾電池のサイズを変える器具(単3電池を単2や単1に変えられる)
□ 手回し充電懐中電灯
□ 小銭 など
★Point1:レインコートは色つきを選ぶ
着替える場所がないとき、レインコートの中で着替えられるよう、透明ではなく色つきがおすすめ。
携帯リスト
□ 『東京防災』(東京都が発行)
□ 灯-mawaliマグネシウムライト(水1㏄で点灯)
□ スマホ充電器
□ 笛
□ マスク
□ 消毒用アルコール
□ 携帯用ミニトイレ など
教えてくれた人
くぼてんきさん/気象予報士・防災士
情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の天気コーナーを担当。紙芝居師、大道芸人でもあり、「天気」「環境」「防災」をテーマにした出張紙芝居や出前授業、講演なども行っている。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2021年12月9日号
https://josei7.com/