兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第118回 兄のPCR検査があやうく自費になるところでした】
ライターのツガエマナミコさんは、若年性認知症を患う兄と2人暮らしです。少し前のこと、シャンプーをしていたら全く匂いがしないことに気づいたツガエさんは、もしやと思い検査を受けたところ新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。濃厚接触者となった兄は、家でツガエさんと2人で所定の期間、隔離生活を送ります。無症状の兄でしたが、デイケアへ再び通い始めるために、PCR検査を受けることに…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

* * *
なんと、兄は「陰性」だったのですが
周囲の方々にご心配をおかけしましたが、わたくしの嗅覚障害が出てから2週間後、兄のPCR検査をしましたところ、奇跡的に「陰性」でございました。
「どうせ陽性なんでしょ。わかってるわよ」と構えていたわたくしは、電話口の「陰性でした」の声に耳を疑いました。
「なんでこの人だけ陰性なの?」と理不尽にむかついたことは正直にご報告させていただきます。しかしそれは、いつも以上に兄と顔を合わさず、自室以外はマスクを付け、一切しゃべらず、食事の支度とトイレ以外は出来る限り自室にこもっていた10日間のわたくしの努力の賜物でございましょう。
もっと早く検査をしていたら、もしかすると「陽性」が出たのかもしれませんが、わたくしが外出できない以上、兄も外出はできないので仕方がございませんでした。