夜中に2回目が覚める人は死亡リスクが約2倍に!「夜間頻尿」改善する方法
夜間頻尿の一因となる下半身のむくみや膀胱のゆるみを改善するために、運動やストレッチも生活に取り入れたい。
「ウオーキングやスクワットは下半身のむくみを解消し、夜間多尿の予防につながります。特にいまはステイホームで運動不足の人が多い。積極的に体を動かしてほしい」
家の中で簡単にできる体操も覚えておきたい。
「特に効果的なのが『骨盤底筋体操』。手や足などと違い普段動かさない場所のため、1日最低1回は鍛える時間を確保しましょう」
★骨盤底筋体操
【1】仰向けに寝て、両足を肩幅くらいに開いて膝を軽く立て、手をお腹の上に置いて体をリラックスさせる。
【2】肛門と尿道を意識しながら尿をがまんするときに下腹部に力を入れるイメージでゆっくり締め、3秒間キープす
【3】10回を1セットとして1日最低1セット取り組む。
「骨盤さすり」で過活動膀胱の症状が改善
堀田さんが推奨するのは、過活動膀胱の症状緩和につながる「骨盤さすり」だ。
「人さし指の腹などで、肛門と腟の間である会陰(えいん)部の皮膚を、1秒間に1cmを目安にゆっくり左右に10往復さすります。指先が皮膚にかすかに触れるかどうかのやさしい力でさするのがポイントです。この接触刺激によって膀胱を支配する自律神経の活動が調節され、症状が改善されます。
動物実験では膀胱の排尿収縮の頻度が50%以下に低下していますし、2016年に(※2)帝京平成大学と共同で作成した論文でも頻尿の高齢者を対象とした厳密な臨床試験によって過活動膀胱への緩和効果が確かめられたことを記載しています」(堀田さん)
布などを挟むと効果が半減するため、何もはかずに行いたい。会陰部へのマッサージに抵抗がある人は、お尻からふくらはぎまで、脚の裏側をやさしくさする「脚の裏側さすり」でも自律神経が整う。
これから寒くなる季節、朝まで温かい布団で眠るために、いまできることがある。
(※1)Nakagawa et al. (2010) J Urol 184:1413.
(※2)Iimura et al. (2016) PlosOne 11:e0151726.
教えてくれた人
平澤精一さん/泌尿器科医。
堀田晴美さん/東京都健康長寿医療自律神経機能研究・研究部長。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2021年11月4日
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