菊田あや子さん、人生を豊かにする“前向きな終活”12の方法
「終活は人生を謳歌するために必要な明るく前向きなもの!」と語るのは、テレビやラジオで人気のリポーター菊田あや子さんだ。一般社団法人終活協議会の理事兼終活ガイドとしても活躍する菊田さんに「明るい終活指南」として「人生のモチベーションを上げる終活12の方法」を聞いた。
人生のモチベーションを上げる12の方法
「終活をすると自分の人生が見えてきます。人生を謳歌するためにも、終活をネガティブに考えず、明るく取り組むことをお勧めします」と語る。
菊田さん自身が現在続けている終活=人生のモチベーションを上げる12の方法は、以下の通りだ。
1.身の回りには好きなものだけを置く
身の回りのものは「好きなものだけ」と決めました。好きな色のもの、好きな置物、好きなインテリア、好きなお花……好きなものに囲まれた生活はとても豊かです。
2.食卓を素敵になるよう工夫をする
食事は人間にとって大切な行為。おろそかにすると健康にも良くないし、生活の張りが失われてしまう。贅沢な食事をしたり、毎日きちんと料理を作るのは難しいので、好きなお皿やカトラリーを使って食事をする、花を飾る、ランチョンマットの上にお皿を並べるだけでも食事は変わります。疲れている日は、お惣菜を買ったり、コンビニ弁当でもOK。買ってきたものをお皿に並べれば、気分も変わります。
3.小さな生き物や植物の世話をする
ペットは生きる張り合いになります。寄り添ってくれる動物たちの癒し効果は格別。私は小さなマンション暮らしなので、動物を飼えないかわりに、グリーンを慈しんでいます。毎日、植物と会話しながら朝を迎える豊かさは格別!
4.太りすぎず痩せすぎない。体を快活に!
健康は終活の大切な要素。自分の体と向き合って、軽い運動を欠かさないことが大事です。「マイナス3キロ」「血圧を下げる」「1時間は歩けるようになる」など自分なりの目標を明確に持って、日常生活にエクササイズを組み込むことが大事です。
5.天気のいい日には必ず外出する
年を重ねると、体が重いから、気持ちが乗らないから、と出不精になりがちです。外出を大層なことと考えずに、近くのコンビニやスーパーに買い物に行く、散歩に行などを日課にする。とはいえ、毎日の外出は難しいので、私は「天気のいい日には必ず外出する」と決めています。
6.何度も鏡を見る
年を取ると「鏡が苦手」になりがち。鏡を覗けば老けた自分にがっかりする、その気持ちも分からなくもありませんが、きちんと鏡を見れば「このままじゃダメ」という気持ちになって美容院に行こうとかスキンケアグッズを買おうという気持ちになります。そんな気づきを得られれば、自分をブラッシュアップできます。また、健康面でも鏡は大切な要素。私は日に何度も鏡を見て、鏡から目をそらさない。自分の顔と仲良くできれば、毎日は楽しくなります。
7.夢中になれることを見つける
これまでやってみたかったけれど、時間に余裕がなくてできなかったことにチャレンジすることが大事です。私の場合は「終活」ですが、お孫さんの世話や料理や掃除など家事でもOKです。
8.食べたいお店に行くことを楽しみにする。あるいはスイーツを楽しみにする
食いしん坊の私は食べることが大好き。美味しいものを食べているとそれだけでテンションが上がります。高価なレストランでなくてもいいので、自分が好きなレストラン、好きなメニューを目標に頑張る、その気持ちが大事です。外食が苦手ならいつもより少し高価なスイーツを楽しみに。お酒が好きなら、このワイン、この日本酒という具合に食の楽しみを見つけるのもいいと思います。
9.ファッションに流行を取り入れ、おしゃれを怠らない
ファッションはいつでも流行に敏感に。女性ならメークにも流行を取り入れましょう。私はできるだけ明るくキレイな色を着るようにしています。それだけで気持ちは上がり、姿勢も良くなるから不思議。メークもお安いもので充分! お勧めはネイル。キレイに整った自分の爪を見ているだけで気分が上がります。
10.若い友達を持つ
世代の異なる人と話をすると、新しい発見があり、刺激を受けます。
11.ストレスを上手に抜く方法を見つける
疲れやストレスはその日のうちに解消すること。私はストレスが溜まったなと思ったら、いつもよりゆっくりとお風呂に入るようにしています。時には温泉やスーパー銭湯に。それぞれにストレス解消法を知っておくことが大事です。
12.独善的にならずに、周りを学びとする
若いときからお世話になっている10歳以上年上の女性は、とても素敵な方で、ずっと憧れの存在でした。ところが最近久しぶりにお会いしたら、とても頑固に独善的になっていて、がっかり。年を重ねたからこそ、謙虚でいたいと、彼女を反面教師に。独善的にならずにニュートラルな心持ちでいれば、常にいい刺激が受けられます。
この12項目以外にも「劇場や映画館に行く」「自分なりの自由さを吉とする」「恋をする」「丁寧な暮らしを心掛ける」「定期的に歯医者さんに通う」などが菊田さんのモチベーションアップの方法。人生が豊かになる手段を持つこと、それも終活だ。
前向きに終活をすれば、人生は必ず謳歌できる。
菊田あや子
リポーター。一般社団法人終活協議会理事。1959年生まれ。リポーターとしてなどで活躍する傍ら、講演活動も多く行い、内容は「食育」「美容」「話法」「おもてなし」など多岐にわたる。2020年1月、山口県の実家で94才の母を看取り、終活の必要性・重要性を身をもって痛感。「遠距離介護」や「終活」は、現在では講演テーマの1つとなっている。近著に『エンジョイ!終活』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。
取材・文/池野佐知子