「サ高住」はリフォームアイデアの宝庫!暮らしやすい工夫を写真で紹介
老後を見据えたリフォームを考えた時、参考となるのは要介護者を受け入れている福祉施設だろう。全国に431か所の高齢者施設を展開し、日本最多の居室数を誇るSOMPOケアのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を訪れた。
サ高住はリフォームアイデアの宝庫
「一般家庭と最も違う点は、動線上の段差を排除していること。車椅子移動はもちろん、足腰が弱くなり、つまずきやすくなったご高齢者の『できるだけ長く自分の足で歩きたい』というご要望に対し、杖やシルバーカーなどの福祉用具の利用や手すりの設置など、おひとりおひとりに適した工夫により対応しています」(同ホーム管理者・森下浩司氏)
高齢者への自立支援への配慮と安全に暮らせる工夫が凝らされている安心感から、「ここで寿命を全うしたい」と入居を決める人も少なくないという。
具体的に、要介護者に配慮した工夫を見ていこう。
車椅子での出入りが楽にできるように、一般住宅よりも玄関の幅を広くとっている。小さな力でも開閉できるドアのほか、出入口は段差のないバリアフリー。
(左上)就寝中の体調急変に対応し、ベッド 横の壁に呼び出しボタンを設置。数メートル伸ばすことができるコードにより、先端の呼び出しボタンで寝ながら介助者を呼ぶことができる。
(左下)足腰が弱くなっても上半身は自由に動くという人のために、車椅子に乗りながらでも調理できるよう、キッチン下にスペースを設けている。自立した生活を少しでも長く続けるための知恵のひとつ。
(右)手すりや呼び出しボタンといった基本的な設備が揃うトイレは、車椅子移動で出入りしたり、介助者が一緒に入ったりすることを想定した広さを確保。
生活のなかで比較的大きな事故につながりやすい風呂場には、あらゆる場面に対応できる手すりが設置されている。手前のシャワーチェアーは、浴槽をまたぐことが困難になった人のために座面の高さをバスタブに合わせて座りながら浴槽内に入ることができる。
玄関からは、上がり框のような段差が一切取り除かれている。設置された椅子は、腰を下ろして靴を履く時のためのもの。折りたたみ式なので、使わない時には場所を取らずに済む。
居室内にある空調や照明などのスイッチ類は、車椅子に座りながらでも押せる高さに統一。逆にコンセントは、軽くかがんで手の届く高めの位置に取り付けられている。
足元のコーナーは、車椅子やシルバーカーなどでの移動中にぶつかっても壁が破損しないようにクッションで保護されている。
■そんぽの家S 四つ木
住所:東京都葛飾区東四つ木4-47-8
入居相談:0120-37-1865
ホーム代表電話:03-5671-8262
撮影/内海裕之
※週刊ポスト2018年7月6日号
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