お悩み別入浴剤の選び方|睡眠不足・疲れ、マスクの肌荒れ、ダイエット対策に
少し前は入浴剤と聞くと、体を温めるイメージが強かったが、現代では睡眠不足、体の乾燥、マスクによる肌荒れ用など、それぞれの悩みに特化した商品が数多く販売されているという。そこで専門家にコロナ禍の不調やお肌の悩みに効く入浴剤と、また効果的な入浴法を伺った。
効果が高まる入浴剤の入れ方
2020年4月以降、全国のドラッグストアにおける入浴剤の購買金額は、前年を大きく上回っている(※)という。
「炭酸ガス系の人気が根強く、いまや100円ショップにもあるほど種類豊富。その中で選ぶなら、炭酸濃度の高いものが血流改善や疲労回復に効果があると思います。入浴と同時に浴槽に入れてシュワシュワを楽しみたいものですが、完全に溶けきってから入った方が、炭酸ガスの温浴効果が高まります」(眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さん)
入浴剤は適当に入れている人も多いが、適量がある。
「どの入浴剤も用量が定められています。それを守らないと、せっかくの効能も半減。入れすぎで皮膚に負担をかけている場合もあるのです」
確かにパッケージを見ると「200Lに1包」「160Lに15粒」などの記載が。自宅の浴槽の容量に合わせて量を調整することも必要だ。
専門家がすすめる「完全浴」と「フラット浴」
小林さんに、おすすめの入浴法を聞いた。
「私の場合、全身浴ならぬ、首のつけ根までつかる『完全浴』(小林さんの造語)です。鎖骨のあたりに全身のリンパが集まっているので、ここを温めることで、より血流アップが期待できます。その応用で、浴槽の縁に頭をのせ、上半身を浮かせる『フラット浴』もおすすめ! これは寝湯のイメージですが、体の力が抜けて心底リラックスできるんです」
乾燥、マスク荒れ…、その悩みにはこの入浴剤を!
錠剤や粉末、液体など、形状もさまざま、効能もさまざまな入浴剤。何を基準に選ぶべきか? 悩む前に読んでおこう!
【1】睡眠不足・疲労には<炭酸ガスタイプ>
「深部体温を上げる必要があるため、血管が拡張し、血流をよくする炭酸ガス系が最適です。なかでも『薬用ホットタブ重炭酸湯Classic』に含まれる重炭酸イオンは医療の一環として使われるほど血流促進効果が高い。39℃くらいのぬるめの湯に入れ、しっかりつかるのが◎。『メディキュア(バブ/花王)』や『ファインヒート(きき湯/バスクリン)』も炭酸濃度が高く、おすすめです」
★『薬用ホットタブ重炭酸湯Classic』(3600円(45錠)医薬部外品)
【2】体の乾燥には<保湿タイプ>
「体のかさつきには、セラミドやスクワランなどの保湿成分が入った入浴剤をおすすめします。敏感肌用のスキンケアブランド『ノブ』の『モイスチュアバス』は無香料・低刺激なので、肌の乾燥がひどい人にも安心。また、天然の植物オイルが入った『クナイプ バスミルク』も、入浴後のうるおいが持続します」
★『ノブ モイスチュアバス』(1800円(400g)医薬部外品)
【3】マスクによる肌荒れには<薬湯・酵素タイプ>
「マスク生活で肌がゴワゴワ。それは角質が厚くなり、新陳代謝が落ちている証拠。まずは皮膚の血流をよくしましょう。それには温浴効果の高い、昔ながらの薬湯がおすすめ。8種の生薬がそのまま入った『ウチダの浴剤』は、体の芯からポカポカに温まり、肌荒れにも対応します。角質を取り除く作用のある酵素剤の『バスコーソ』もいいですね。北海道産トドマツのおがくずに、米ぬかや植物発酵液を加えたもので、まるで森林浴をしているような自然な香りも心地いいですよ」
★『ウチダの浴剤』(2200円(編集部調べ)(30g×10包)医薬部外品)
★『バスコーソ』(1800円(100g×6包))
【4】ダイエットには<バスソルトタイプ>
「成分に含まれるミネラル類が血流アップ&保温効果を促し、ダイエットしやすい体に。『ミネラリア デッドシー バスソルト』は、ミネラル分の多いイスラエルの死海の塩と、精油100%のアロマを使った自然派入浴剤。これで温冷交代浴(入浴&冷シャワーを交互に行う)を行えばリラックス&爽快感を味わえます」
★『ミネラリア デッドシー バスソルトラベンダーフィールド』(1900円(500g))
教えてくれた人
小林麻利子さん/眠りとお風呂の専門家
「美は自律神経を整えることから」をテーマに、心身ともに健やかでいるための睡眠・入浴メソッドをテレビや雑誌、講演などで発信。近著に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)がある。取材・文/佐藤有栄 イラスト/後藤知江
※女性セブン2021年2月11日号
https://josei7.com/
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