【60才で人生リスタート】自分を誰も知らない新天地で新生活
60才といえば還暦、定年、引退…など、もう老後に向けて歩みだしたわと感じている方もいるかも。しかし、そんな感覚は一昔前! だってまだ人生は残り40年もある時代だもの。
60才で人生をリセット&リスタートした人にインタビューしました。あなたは、これからの人生。どう考えますか?
今回は、公務員(公立中学校の栄養士として38年勤務)として働いて人生をリセットした松岡美知子さん(仮名・63才・離婚経験1回・独身)に話を聞きました――。
仕事だけの人生。空しさが残り…
60才まで、私の人生は仕事だけ。定年後は孤独にさいなまれていました。離婚して子供もおらず、栄養士という立場上、特定の教え子もいません。在職中は、職場の陰湿ないやがらせに嫌気がさし、同僚たちとは距離をとっていたので、友達もいません。
追い打ちをかけるように、母が亡くなり、いよいよ東京でひとりで暮らす意味を見い出せなくなっていました。だって、東京では、誰とも会わず、話もしないで暮らせるんです。ネット環境が整っていますし、隣人が誰か知らないのが当たり前。
このままここに暮らしていては、早々に認知症になるのでは…と不安に駆られました。
そんな時、田舎暮らしのテレビ番組を見て、一念発起。なんの未練もない東京を捨て、自分を誰も知らない新天地で、新しい生活をしてみよう…と。
寒さが苦手なので、温暖な房総半島や熱海に移住先の目星をつけると、早速ネットで自治体の移住課を調べて、電話相談。翌日には現地に行って説明を受け、土地との相性がいいと直感した房総半島への移住を決意。ここまでは信じられないくらいトントン拍子でした。
刺激の多い毎日でボケる心配もなさそう
住んでいたマンションを3000万円で売り、房総に1戸建てを購入。リフォーム代と合わせても2000万円くらいでした。
それから3か月で移住の準備。その間は、期待しかなかったんですが、ただ1つ、以前からある地元コミュニティーに溶け込めるかの不安はありました。人が少ないから、トラブルを起こしたらすぐ仲間はずれにされるのでは…と。
でも実際は、人が少ないからこそ、共同作業が多く、行事の準備、ゴミ置き場や側溝の清掃と、協力して作業していくうちに、すんなりと溶け込むことができました。地元に学ぶ意識を持つと、なじみやすいと実感しましたね。
そして、夏祭りの準備の時、同じ移住者の63才の独身男性と意気投合。食事に誘われ、夏祭りが終わった後の打ち上げの夜には、キスまでする仲に…。38才で離婚してから正直、男性経験がなく、その先の関係をどう進めていいかわからなくて…。まるで中学生のように悩んでいます(笑い)。
移住前は、ゆったりと穏やかに過ごす余生を考えていたのですが、想像以上に刺激的な毎日が続いて、驚きの連続。当分ボケる心配もなさそうです。
※女性セブン2018年4月12日号
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