【都営大江戸線】注目のサ高住と特養、介護付有料老人ホーム【まとめ】
評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
東京都練馬区の「光が丘」駅と新宿区の「都庁前」駅を結ぶ部分と、都庁前駅から「六本木」駅や「勝どき」駅などを経由して戻ってくる環状部からなる都営大江戸線。今回は、都心部や湾岸エリア、下町など様々なエリアを走る都営大江戸線沿線にあるサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)と特別養護老人ホーム(以下、特養)、介護付有料老人ホームを紹介する。
タワーマンションの中にある都市型サービス付き高齢者向け住宅「ココファン勝どき」
2000年に開業した「勝どき」駅では、混雑緩和のために大規模な改良工事が行われてきた。利用者が急増した理由は、晴海アイランドトリトンスクエアなどのオフィスビルや湾岸エリアで高層マンションの開発が相次いだため。
そんな勝どき駅から徒歩6分のところに2017年にオープンした「ココファン勝どき」。東京・中央区の公募事業で選定された株式会社学研ココファンが手がける都心型のサ高住だ。こちらのビルには、コンビニや飲食店などの商業施設が併設されているので、都心の利便性を十二分に享受できそうだ。
サ高住とは、2011年10月に国土交通省と厚生労働省の共同所管によって制度化された高齢者住宅のこと。原則25平米以上であること、台所・水洗トイレ・収納設備・洗面設備・浴室を設置すること、バリアフリー化することなど、様々な要件が定められている。サービス面では、少なくとも状況把握(安否確認)や生活相談を提供することが求められている。ほかにも入居者が入院したことや心身の状況が変化したことを理由に、入居者の同意を得ずに居住部分の変更や契約解除を行わないなどのルールがあるため、一定の質が確保されている。
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ココファン勝どきには、通所(デイサービス)と宿泊(ショートステイ)、訪問介護の3つの機能を持つ小規模多機能型居宅介護事業所(小規模多機能)が併設されているという。小規模多機能は主に近隣の在宅高齢者世帯を対象としており、ココファン勝どき全体で、地域の高齢者に住まいと介護サービスを提供することを目指しているそうだ。
ココファン勝どきは様々なニーズを想定して作られているそうで、「もしもの時が心配だが介護施設はまだ早い」「夫婦で住み替え先を探している」「退院後の住まいを探している」「特養ホームの入所待機をしている」…など、自立している人から、介護が必要な場合まで対応可能だという。
ケアスタッフが24時間365日常駐しているので、夜中に具合が悪くなった場合や転んでケガをしてしまっても一次対応をしてくれるほか、提携医療機関が昼夜を問わず緊急時のオンコールに対応(別途契約が必要)をしてくれるという。
こちらの入居一時金は0円で、敷金のみの賃貸借契約となっているそうだ。つまり月々の支払いのみで住むことができ、金額は近隣のマンション相場が考慮されているという。終身建物賃貸借契約なので、心身の状態が変化しても住み続けることができるのがポイント。
サ高住はその名の通り、あくまでも住宅なので外出はもちろん、家族や友人の出入りも自由。食堂での食事サービスを利用するか、自室で自炊をするかを自分の意思で選択できる。そうした、自由度の高い暮らしができるのもサ高住の魅力と言えそうだ。
2010年から2025年でみると、東京都の75歳以上の人口増加数は76.2万人と推計され全国1位。増加率でみても62.6%と全国8位。ココファン勝どきのような都会生活の利点を享受できるサ高住は今後、ますますニーズが高まっていきそうだ。本人や家族が都心に住んでいる場合は、老後の住まいの選択肢に入れてみてもいいかもしれない。
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