結露がアレルギー発症の原因に!?メカニズムと対処法
最強寒波の襲来で、自宅にいても凍えて過ごしている人も少なくないのではないか。
家の熱放射の割合は、屋根が6%、窓が48%、換気まわりが17%、外壁が19%、床10%となっている。窓に断熱シートを貼ったり長いカーテンを使用することで室温を2~3℃上げられる場合もあるが、併せて行いたいのが、床の断熱だ。
高齢者におすすめは「床暖房」
もっとも簡単な方法としては、断熱シートや厚手のカーペットを敷くだけでも効果てきめん。但し、後期高齢者を抱える家族や、経済的に余裕のある人には「床暖房」を東京都健康長寿医療センター研究所・前副所長の高橋龍太郎さんはすすめる。
「床暖房は、床からの熱で部屋全体を暖めることができ、体への負担が少なく、特に高齢者が快適に過ごせる暖房設備といわれています。床を解体することなく、既存の床上に暖房材を貼るという手軽な工事もあります。専門の施工業者に相談してみてください」
建築家によっては、日光の当たる玄関や土間に蓄熱効果の高いレンガを敷き詰め、部屋を暖めるケースも。レンガはホームセンターでも購入可能。試してみるのも一案だ。
結露とアレルギー症状には、密接な関係が
また、冬に気になる結露は、室内の温度・湿度と、窓などの表面温度の差によって生まれる。例えば温度20℃、湿度50%の室内で、窓の表面が9.6℃以下の場合に結露が発生。ここでも窓の断熱が大きく影響する。
「じつは結露は、さまざまなアレルギー症状と密接な関係にあります。海外の大規模な実証実験では、床と天井の断熱材の有無だけで、大きく結果が異なりました。断熱材を使った家で、鼻炎や結膜炎、気管支系などのアレルギー症状が明らかに減少したんです」(高橋先生)
結果、アレルギーの原因の1つが「結露によるカビ」であることが判明。日本国内で行った実験でも同じ結果が出たという。
「私の実験でも、断熱改修を行っただけで明らかにアレルギー疾患の症状が軽減しました。窓を二重にすると圧倒的に結露が減るので、アレルギーの持病を抱えたかたには特に、“二重窓”をおすすめします」(高橋先生)
窓の改造が難しい人は、市販の「結露防止用フイルム」を窓に貼るなどして対応を。最近は結露防止カーテンや、窓に噴きかけるだけの結露防止スプレーなどの開発も進んでいる。ぜひ活用したい。
※女性セブン2018年2月22日号
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