介護生活にハーブを!<7>豊富な栄養素を含みアレルギー症状緩和に役立つ「ネトル」
アロマオイルやハーブティー、料理に使うスパイスなど、私たちの暮らしのさまざまシーンで活躍するハーブ。今、ハーブを医療や介護の現場でも積極的に活用しようという動きが高まっている。
介護をする人も、受ける人もハーブで健やかな暮らしを送ってほしい――。写真家でハーバルセラピストの飯田裕子さんがハーブを日常に取り入れる生活を提案するシリーズ、今回は、春に気になるアレルギーに役立つハーブを紹介してもらった。
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いよいよ季節は春、自然の息吹を感じる季節です。冬に活動を休止し、仮眠していた自然界の生命が復活し、木々は芽吹き、新しい命を育むために花を咲かせます。
そんなこの季節のお悩みNO.1はアレルギー症状ではないでしょうか。
花粉はじめ、様々なアレルギー物質に反応し、クシャミや目の痒み、頭痛やゆらぎ肌など気分が滅入るような不快な症状のオンパレードになる方も多いと思います。アレルギー症状の緩和には、様々な医薬品もありますが、成分には眠気を誘うものが含まれている場合が多いので、薬に頼りたくない人も多いのでは?
そこで、今回ご紹介したいのが、ハーブの中でもアレルギー症状などの緩和に用いられてきた「ネトル」です。
ネトルは和名で西洋イラクサ。西洋イラクサは実はヨーロッパでは、ローマ帝国時代から常用されていた栄養価の高いハーブで、主に葉を使用します。
葉や茎部に細かいトゲトゲがあり、ネトルという名前も英語のNeedle(針)に由来しています。トゲの部分には植物性のヒスタミンなども含まれており、それを摂取することで、アレルギーの抗体としての役割をしてくれます。
ローマ軍が英国へ遠征した時に、兵士が歩く道にネトルを植えていったと伝えられています。それだけ有用な植物であったのでしょう。
豊富な栄養素を含むパワーーフード
ネトルはハーブですが、その栄養素には目を見張るものがあります。ネトルに含まれるクロロフィルはヘモグロビンに構造がとてもよく似ていることから、浄血、造血に作用に優れているとされます。その浄血が、アトピーや花粉症などのアレルギー、蕁麻疹を緩和するとして、ドイツの医療機関では春季療法(春先に行うハーブを使った健康法)として役立てています。
また、ベータカロチン、ビタミンCや葉酸、そしてミネラルにはケイ素、カルシウム、カリウム、鉄分も多く、妊婦の授乳期や貧血の女性に用いられるなど、ネトルはパワーフードともいえます。
20年来の花粉症の症状が出なくなった
実は私自身、20年来ひどい花粉症でした。が、ネトルを時々取り入れることで、今では症状がほとんど出なくなりました。日本ではまだ聞きなれないハーブかもしれませんが、ぜひ使っていだきたいハーブの一つです。
ネトルは、そのままお湯を注いでお茶として飲むこともできますが、味や香りにクセがなく、スーパー栄養機能を備えたネトルの特性を葉も全て摂取する方法として、スープにするのがおすすめ。
ネトルにさらに小松菜を加えた、カルシウムも豊富で爽やかな緑色の「薬草すうぷ」をご紹介します。
スープのだしも無農薬の野菜の皮を使ってみてください。アレルギーの緩和に役立ちます。