自立支援介護に実績のある介護付有料老人ホーム<前編>
ウェルケアガーデン久が原
2016年10月1日にオープンした「ウェルケアガーデン久が原」。東京都大田区久が原は高級住宅街として人気で、緑が多く住み心地は折り紙付きだ。発掘調査で縄文時代、弥生時代から人が住んでいたことが分かっているほど、古くから住みやすい場所として知られている。
ウェルケアガーデン久が原を運営する株式会社サンケイビルウェルケアは「昨日より今日を元気に 今日より明日を元気に」をテーマに高齢者向け施設を運営し、お世話型の介護ではなく、自立支援介護を提供している。「入居時は車椅子だった入居者が歩けるようになった」「徘徊など認知症の周辺症状がなくなり、豊かな表情を取り戻した」など目に見える成果をあげているという。
同社はそうした自立支援介護の取り組みの一つとして、「パワーリハビリテーション」を導入している。パワーリハビリテーションは、専用のトレーニングマシンを用いて低負荷の動作を繰り返す運動のことだ。
機能訓練指導員の新木基之さんによると、高齢者が体をうまく動かせない原因として、脳から筋肉への指令がうまく出ていないことがあるという。「1、2、3…」のように一定のリズムで声を出しながら動作を繰り返すと、全身の眠っている神経や筋肉が呼び覚まされ、協調的な動きができるようになる。それが歩くこと、立つこと、座ること、寝返り…など日常生活での身のこなしや姿勢の改善につながるのだそう。
マシンを使ったトレーニングというと尻込みしてしまう高齢者もいるが、パワーリハビリは入浴よりも心臓への負荷が軽いのだそう。筋肉量を増やすのではなく、使われなくなった筋肉をうまく動かせるようにすることに主眼がおかれている。導入しているトレーニングマシンは、医療用として設計された専用のものだ。また、パワーリハビリのマシンではないが、脳卒中や脊髄損傷などで歩行が難しくなった場合や関節の負担を軽減する必要がある症例でも歩行訓練ができる「アンウェイシステム」も導入している。
「ベッドで寝ている時間が長くなると、だんだんと歩けなくなってしまう可能性があります。歩けるようになるためには、歩くことそのものをして、脳からの指令が正しく出るように運動学習することが必要です」(新木さん)
要介護5から要支援2へ改善した例も!
運営会社の理念、「昨日より今日を元気に 今日より明日を元気に」は想いだけではない。会社全体で改善実績を数値化して、チェックしているのだ。2014年4月から2016年10月の社内集計によると、要介護5から要支援2に5段階改善した入居者が2名いるという。他にも4段階改善が7名、3段階改善が4名、2段階改善が14名、1段階改善が65名という実績が出ている。