《実はコワい「転倒」》交通事故の4倍も人が死亡!1日30秒の「5ミリの壁体操」で骨盤を元に位置に戻してつまずきを防ぐ
国家資格「柔道整復師」として整骨院を17年経営し、プロアスリートや俳優を含む3万人以上の治療実績を持つ福嶋尊さん。寝たきりの原因にもなる「転倒」によって、実は交通事故の4倍以上もの人が亡くなっているという。福嶋さんの著書『ストレスゼロで一生歩ける! 5ミリの壁体操』(サンクチュアリ出版)より、高齢者の多くが直面する転倒の現状と、骨盤のゆがみによってすり足になる「腰痛型」の人に向けた体操について、一部抜粋、再構成して紹介する。
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「3秒に1人」が転倒している。交通事故の4倍も人が亡くなる現状
日本では今、65歳以上の3人に1人が、1年間に一度以上転んでいるというデータがあります。2025年時点の高齢者人口から単純計算すると、約3秒間に1人が、今もどこかで転んでいることになります。
さらに恐ろしいのは、転倒で亡くなる高齢者が年間1万人以上いることです。これは、交通事故による全世代の死亡者数の4倍以上にあたります。交通事故はニュースになりますが、転倒はニュースになりません。そのため実感しにくいだけで、実はとても身近で命に関わる出来事なのです。
「寝たきりなんてまだ先だから、気にしない」「今まで一度も転んだことないから大丈夫」と油断している方も多いのですが、高齢になるほど打ちどころが悪くて脳内出血を起こしたり、骨折が入院や寝たきりのきっかけになったりします。だからこそ、転ばないための体づくりが重要なのです。
体が後ろに傾いてつまずく「腰痛型」。骨盤のゆがみが原因
関節の硬くなり方には、大きく分けて5つのタイプがあります。足の指・足首の関節が硬い「つま先型」、ひざ関節・股関節が硬い「ひざ痛型」、骨盤がゆがんでいる「腰痛型」、背骨が硬い「猫背型」、肩の関節が硬い「肩こり型」です。今回は「腰痛型」について説明します。
「腰痛型」は、骨盤がゆがんで体が後ろに傾いているタイプです。日常のちょっとしたサインで自分の状態がわかります。「腰が痛い」「長時間ソファーに座ることが多い」「靴底の減り方が左右で違う」「あぐらがかきにくい」「太ももを両手で抱えて胸に引き寄せられない」「イスから立つとき『よいしょ』と言う」など、これらに3つ以上当てはまったら、「腰痛型」の可能性が高いでしょう。
本来、体は足から頭まで一直線になっているのが自然です。しかし、ソファーに長時間座ったり足を組んだりする習慣があると、骨盤がゆがみ、体が後ろに倒れてしまいます。この状態で足を上げて歩こうとすると、重心に引っ張られて後ろ向きに倒れてしまいそうになりますね。
体は無意識にそれを防ごうとして、足を高く上げず、狭い歩幅で小刻みに歩くようになります。一見、安全そうに見えますが、足が上がっていないので、たった5ミリのちょっとした段差でつまずいてしまうのです。
1日30秒。骨盤を元の位置に戻す「タオルおじぎ」と「腰回し」
体操を始める前に、効果を最大限に引き出すための2つのコツをお伝えします。1つ目は「深呼吸をしながら」行うこと。吸った時間+2秒をかけて息を吐きながら伸ばすと、自然と体が脱力します。2つ目は「気持ちいいところで止める」こと。筋トレではないので、痛みを感じるまで無理に伸ばすと逆効果です。ゆっくり、ぐーっと伸ばしてください。それでは、腰痛型を改善する2つの体操をご紹介しましょう。
【タオルおじぎ】
【1】足を伸ばして床に座り、半分に折ったタオルを足の裏の上半分に当てます。
【2】タオルの両端を持った状態で、ひざにおでこをつけるイメージで体を倒し、10秒キープします。
(3~6セット繰り返します)
太ももの裏とおしりの筋肉をゆるめ、うしろに倒れていた骨盤を元の位置に戻す体操です。体が硬い人はタオルを長く、柔らかい人は短く持って調整しましょう。痛みを感じる人は、ひざを曲げても大丈夫です。骨盤が整い、姿勢がまっすぐになることで、足が上がるようになります。腰痛の解消にもつながりますよ。
【腰回し】
【1】足を肩幅に開き、腰に両手を置きます。
【2】足は動かさず、ゆっくり大きく、フラフープを回すように時計回りに10回回します。
【3】反時計回りに10回回します。
(3~6セット繰り返します)
この体操は、骨盤まわりの筋肉を柔らかくして動きをなめらかにします。骨盤を確かめながら回し、もしスムーズに回らない部分や角度があれば、そこは骨盤がゆがんでいる部分です。他の部分よりゆっくり大きく回すことで補正されていきます。「つなぎ目」の役割を持つ骨盤があるべき位置に納まると、上半身と下半身の動きが連動し、動きに無駄がなくなって疲れにくくなります。
体の軸が整うとブレのない姿勢になり、転倒の原因となるふらつきもなくなります。万が一転びそうになったときも、バランスが取れた体なら踏ん張りが利き、とっさの一歩が出るようになります。イスや床で静かにできる体操ですので、ぜひ試してみてください。
◆整体師、国家資格柔道整復師、寝たきり予防研究家・福嶋尊
ふくしま・たける/1973年9月12日、東京都生まれ。17年間経営した整骨院では、プロアスリートを含む累計3万人以上の治療実績を持つ。ケアマネジャーと社会福祉士の国家資格を取得し、転倒予防と寝たきり予防の研究を行う。2025年よりカルチャーセンターで高齢者向けのストレッチ講座を開講。さらに、福祉業界を目指す学生への指導や健康啓発にも力を注いでいる。近著は『ストレスゼロで一生歩ける! 5ミリの壁体操』(サンクチュアリ出版)。
