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健康

「関節がスムーズに動けば、身体に不調が出ることはない」のはなぜか?世界のトップアスリートが信頼する国際治療家・木谷将志さんが解説

 年を重ねるごとに「疲れが取れない」「朝起きても体が重い」。マッサージやストレッチで対処しても、しばらくするとまた同じ症状がぶり返してしまう──。

「本当の原因は別のところにある」と語るのは、世界のトップアスリートから絶大な信頼を寄せられる国際治療家の木谷将志さん。吉田麻也選手をはじめ、プレミアリーグの超一流サッカー選手たちを支えてきた木谷さんが、約20年間、のべ数万人の身体をみてきた経験から確信した身体の不調の本当の原因とは。

 木谷さんが世界最高峰のリカバリー術を一般向けにアレンジした著書『世界が認めた神リカバリー』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。

教えてくれた人

国際治療家/My Natural Clinicディレクター・木谷将志さん

世界のトップアスリートから厚い支持を得る治療家。プレミアリーガーを筆頭に、世界中のサッカー代表選手とプライベート契約を結ぶ。クライアントには欧州の代表チームのキャプテンや国民的人気選手も名を連ねる。英国を拠点にしながら欧州各国や米国に赴き、足も使う独自の施術でリカバリー治療に当たっている。
日本時代は柔道整復師として10年以上にわたりJリーガー、プロ野球選手、大相撲力士ら幅広いトップアスリートを施術。治療をきっかけに吉田麻也選手と出会ったことで後年、専属トレーナーに。2020東京オリンピックや2022カタールW杯などで、当時日本代表キャプテンの吉田選手を全面的にバックアップした。多数の日本代表選手からも熱心に支持されており、トップ選手たちを陰で支える。
ヨーロッパ最大規模の日本人治療院「My Natural Clinic」も経営しており、日本の治療技術の高さを発信しながら、日本人治療家が国際的に活躍できる環境づくりにも力を注いでいる。

 * * * 

1日の疲れは「関節」にたまる

「関節がスムーズに動けば、身体に不調が出ることは、ない」

 これが私の持論だ。

 私は仕事柄、毎日プロアスリートたちの筋肉を触り、ほぐしている。

 筋肉を伸ばしたり、縮めたり、強く押したり、やさしく圧をかけたり。

 さまざまなアプローチで筋肉をアクティベート(活性化)するために、施術を行っている。

 それらの施術には、「筋肉の活性化」以外の目的がある。

 もちろんそれも大切だが、目指している理想は、その先。

 それは、「関節」のなめらかな動き。

 クライアントが「関節をスムーズに動かせる身体」になることこそが、リカバリーの最終的なゴールと定めている。

 理由はシンプル。

 繰り返しになるが、身体というものは、「関節」をスムーズに動かせさえすれば不調が出ることはないからだ。

「筋肉」同等、いやそれ以上に、「関節」を重視するリカバリー。

 もっと正確に言えば、関節を思ったように動かせる身体になるために、さまざまな角度から筋肉や神経系への治療をしている。

 日本だけでなく海外でも、そういう考えを持ったトレーナーや治療家に出会ったことは、ほとんどない。

 あなたが身体を動かすとき、同時に、大なり小なりの関節が常に動いている。

 だからもし、「なんだか足がだるいな」と疲れを感じていたら。

 それは筋肉がかたくなって、下半身の関節がうまく動かせていない状態だ。

 そして、そのような「疲れ」こそが、「不調」や「痛み」の初期症状。

 腰痛や股関節痛、あるいはひざ痛の兆候と言っていい。

 たかが足の疲れが、いずれ「股関節」や「ひざ関節」をうまく動かなくしてしまう。

 筋肉の「疲れ」は関節にたまっていく。

 このような疲れがたまった状態を、私は「関節がつまる」と呼んでいる。

 これは約20年間、一般人からトップアスリートまで、のべ数万人の身体をみてきた経験から、確信している。

 そのため私は、アスリートの身体を触るときだけでなく、一般の方々の身体を触るときもかならず、「関節がつまっているかどうか」を確認することから治療を始める。

肩こりや腰痛が再発するのはなぜか

「腰痛が再発してしまいました」

「最近、肩こりがまたひどくなって……」

 日本の接骨院で仕事をしていたときは、さまざまな身体の不調を抱えた患者さんたちと向き合ってきた。

 そんな方々の身体を触るとき、

「前回、治療をした瞬間はよくなったのに、なぜ腰痛や肩こりが再発してしまうのだろう。不調の本当の原因は別にあるのではないだろうか」

 そんなふうに考えて、接骨院や整体サロンといった治療業界のセオリーを、根本的に見直し始めた時期がある。

 最初は手探りだったが、アレコレと試すなかで経験的にわかってきた。

 筋肉は「伸びる」だけでなく、「縮められる」ことも大切なのだ、と。

 腰痛や肩こりに悩んでいる人は、「伸ばす」「縮める」のどちらか一方がうまくできていなかった。

 たとえば、「お辞儀をする」ときを考えてほしい。

 ぺこりと上半身を下げたとき、首や背中、太ももなどの筋肉は伸びている。

 大切なのは、このとき同時に、お腹の筋肉が縮んでいること。

 お腹の筋肉が縮まない限り、誰にも「お辞儀をする」ことはできない。

 そのように、日常生活で筋肉の伸び縮みが自由にできるようになれば、関節がつまったり、疲れを感じたりする瞬間は激減するのだ。

 この状況は、アスリートも一般の人の身体も、同じだった。

 以来、細かなアップデートはたくさんあるものの、「関節のつまりをなくすことが最優先」というリカバリーの基本的な指針は変わっていないし、これからも変わらないだろう。

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