1日5分で肩の痛みをラクにする極上”ほぐし”ケア4選|五十肩専門の整体師が指南
肩や腕が上がらない! つら~い五十肩だが、実は「痛いから動かさない」のはよくないらしい…。眠っているインナーマッスルを動かすことで肩の痛みは軽減できるという。五十肩を熟知する整体師・橋垣好人さんに“ほぐしテク”を教えてもらった。
その痛みに1日5分の“ほぐしケア”を
「痛みがなくなると治ったような気になりますが、実際には拘縮してしまっている人がほとんど。最近では、テレワークで肩が悪くなったという人の来院が増えています」
こう語るのは、五十肩専門の整体院で日々肩の痛みと対峙する橋垣好人さんだ。
施術では、上記の筋肉を中心に、トリガーポイント(痛みの発点)を見つけて刺激し、固まった筋肉を緩めてゆく。
「私にできるのは可動域を高めるところまで。筋肉を動かせるかは、ご自身のケア次第です。とはいえ、負荷の高い筋トレは不要。長年動かさずに眠っていた筋肉を、ほぐしたり伸ばしたりして目覚めさせるだけでOKです」
たしかに“ほぐす”セルフケアなら誰でも容易にできそうだ。またこの時期、夜間痛がつらいという声も聞こえてくる。
「肩まわりの冷えが五十肩には大敵。カイロでは体温調節が難しいので、電気敷毛布(微弱)などで肩を温めてください。また、痛い方を避けて横向きに寝ると、痛くない肩まで血流が悪くなり、五十肩になることもあります。枕などを背中に敷き、上体を少し起こして仰向けで寝るのがベストです」
→四十肩・五十肩をセルフチェック!肩の痛みの原因、症状と対処法|医師、五十肩専門整体師が解説
ほぐしケアで使う筋肉をチェック
・大胸筋
・前鋸筋(ぜんきょきん)
・鎖骨
・三角筋
・棘下筋(きょくかきん)
【1】棘下筋(きょくかきん)ほぐし…左右各20秒
「肩まわりの動きに深く関連しているのが棘下筋。まずはここをほぐして緊張を緩めると、肩の痛みが改善され、可動域も大きくなることが多くの患者さんへの施術で実証済みです」(橋垣さん・以下同)
アーチ形のツボ押し器具(100円ショップにもあり)で肩甲骨の上を押さえ、棘下筋の範囲(中央図参照)で痛い箇所を探す。見つけたら、そこをゴリゴリと押しながら肩を回す(痛い人は回さなくてもよい)。反対の肩も同様に行う。
「少し痛いですが、固まった筋肉を刺激しましょう」。
・器具がない場合は…
左手を腰の後ろに置く。右手を伸ばして体の前から左ひじをつかみ、そのままぐっと前に引いて20秒キープ。反対側も同様。
【2】三角筋ほぐし…各30秒
「肩を支えている三角筋は前部・中部・後部に分かれていて、主に前部と中部の筋肉が拘縮しやすい。ここがほぐれると、腕の上げ下げがしやすくなりますよ」
図を参考に、三角筋の真ん中(上腕の中央あたり)を上から下へコリコリとほぐしていき、痛い場所を見つけたら丁寧にほぐす。反対側も同様に。
「大きな筋肉なので、中指と薬指を使い、爪を立てず、腕の後ろから筋肉をひっかけるようにほぐしていきます。慣れたら強くしてみましょう」。
【3】大胸筋ほぐし…各30秒
「腕の前側の動きにかかわるのが大胸筋。特に、前方に手を上げられないかたは、ここの筋肉をケアし、柔らかくすることが重要です。“イタ気持ちよく”ほぐしていきましょう」
肩側の鎖骨の下(鎖骨1分ぐらいの間隔)に手を置き、中指を使い、鎖骨に沿って中央に向けてコリコリとほぐしていく。痛い場所が見つかったら丁寧にほぐす。反対側も同様。
【4】前鋸筋(ぜんきょきん)ほぐし…各10回
「脇腹から肩甲骨につながる前鋸筋は、ふだんからあまり伸ばされず、拘縮しがちな筋肉。五十肩の患者さんもここが硬い人が多いです。脇のすぐ下から30cmぐらい下まで、押さえる位置を変えながら、広い範囲でほぐしていきましょう」
左手を前方に突き出し、右手で脇の下を押さえる。左手を上がるところまで上げるのと同時に、右手を押し下げる。押さえる脇の位置を変えながら10回繰り返す。反対の腕も同様に行う。
教えてくれた人
柔道整復師 橋垣好人さん
五十肩を追求し続け、大阪に橋垣整体院を開業。著書に『私も治った! 「五十肩」の治し方―上がる、眠れる、着替えられる』(セルバ出版)。
イラスト/さややん。取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2021年3月11日号
https://josei7.com/