《阪神・淡路大震災から30年》被災者に寄り添われた上皇ご夫妻 美智子さまが献花された17本のスイセン、手話で励ましのメッセージも
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から30年を迎えた。阪神高速道路や多くの建物が倒壊し、死者6434名、行方不明者3名、負傷者4万3792名という甚大な被害をもたらした。
震災2日後に発表された上皇さまのおことば
地震発生から2日後の1月19日、上皇さま(当時は天皇陛下)の「おことば」が発表された。
「この度の地震により、3千人を超す人命が失われ、多くの人々が堪え難い苦しみを味わっていることに深く心を痛めています。不幸にして亡くなった人々の遺族に対し、心から哀悼の意を表し、多数の負傷者の一日も早い回復を祈っています。
現在、国を挙げて救助、救援、復旧活動が行われていますが、未だ多くの行方不明者があり、また、厳寒のさ中、多くの人々が不自由な避難生活を続けており、その速やかな救済と復興に万全を期し、被災者の苦しみが一日も早く解消されることを切に願っています。
救援のために日夜尽している関係者の労苦を思うと共に、この不幸な時期を皆が強い連帯と協力の下に乗り越え、今後、災害に対し、より強く、安全な国としてあることに、人々の英知が寄せられていくことを衷心より願っています」
皇居で摘まれたスイセンを献花
震災から2週間後、余震が続く中、被災地に向かわれた上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)。
同年1月31日、焼け野原となった神戸市長田区の菅原市場を訪問された際、美智子さまが皇居で摘まれた17本のスイセンの花を献花された。現在、スイセンが献花された菅原市場跡地は「すがはらすいせん公園」と名付けられた公園となっている。
手話で伝えられた励ましのメッセージ
また、美智子さまは、帰りのバスの窓から見送る人々に向かって、両手で拳を作り、2回振り下ろすジェスチャーをされた。このジェスチャーは「頑張ってください」という意味の手話だった。
上皇ご夫妻は、その後も阪神・淡路大震災の10年追悼式典(2005年)、20年追悼式典(2015年)に出席され、被災者や遺族らに心を寄せられている。
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